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アレルギーについて

アレルギーについて

アレルギー概要

アレルギーとは

ヒトなどの動物には、体内に侵入してきた異物に対し、それを排除しようとする生体防衛システム(免疫反応)が備わっています。
しかし、ときとしてこの生体防衛システムが適切に働かず、過剰な免疫反応によって自分自身の器官や組織を壊すことがあります。これが「アレルギー」です。
アレルギーには、花粉症や喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど、多くの種類があります。食物アレルギーは、アレルギー全体の約1割と言われています。

近年のアレルギー事情

生活環境や生活状況および食生活の変化などにより、アレルギー症状を訴える人が急速に増加しています。いまでは、日本人の3人に1人が何らかのアレルギーをもっていると言われています。
アレルギーの増加の理由に関しては、まだ十分解明されていませんが、衛生状態の改善によって出生児の免疫バランスの是正が不十分となり、それによってアレルギーを引き起こしやすい体質になるという説(衛生仮説)が有力視されています。すなわち、衛生状態が良くなったことと引き換えに、アレルギーが増加したと考えられています。
アレルギーの中でも、食物によって引き起こされるものを食物アレルギーと呼びます。食物アレルギーの原因となる食品は様々なものが知られていますが、特にわが国で多いものには、卵、牛乳、小麦、そば、エビ、カニ、ピーナッツ、大豆、魚介類、果物などがあります。
食物アレルギーは、誰もがなるわけではありませんが体質により、なりやすい人やなりにくい人がいます。しかし、アレルギー体質に転換しても、そのことに気付かない方も増えていると言われています。

食物アレルギー

クラス1食物アレルギーとクラス2食物アレルギー

食物アレルギーは、多様性があり、種々の分類があります。その分類の一つとして、大きくクラス1食物アレルギーとクラス2食物アレルギーに分類する考え方があります。
クラス1食物アレルギーは、原因となるアレルゲンを食べたのち、消化が不十分な状態で消化管から吸収されて体内に抗体ができて(経口感作)、再度同じアレルゲンを食べて抗体と反応することで発症するものです。
症状としては、蕁麻疹、下痢、嘔吐、ショックなど全身症状をきたす場合が多く、かつ原因アレルゲンの特徴として、消化耐性や熱耐性を示すものが多いと考えられています。このクラス1のアレルゲン惹起食品としては、卵、乳、小麦、大豆など主要タンパク質含量の多い食品が多いという特徴があります。
一方、クラス2食物アレルギーは、花粉抗原やラテックス(天然ゴム)アレルゲンによる経粘膜・経気道感作が先行し、これらに対する抗体ができてから、その後これらのアレルゲンと交差反応を示す植物性食品中の類似分子がアレルゲンとなって食物アレルギーを引き起こします。
症状的には、口腔粘膜周辺での異常(口腔アレルギー症候群:OAS)が中心であり、口の中や喉が痒くなったり、イガイガ感などが一般的ですが、重篤な症状では、気道狭窄や呼吸困難、顔面浮腫などのアナフィラキシー様の症状を起こすこともあります。
クラス2食物アレルギーを引き起こす原因食品は、果実や野菜などが多いですが、近年は大豆やクルミなどの穀類・豆類で発症する事例も報告されています。
この大豆のクラス2食物アレルギーの発症は、カバノキ科(シラカバ、ハンノキ)の花粉症に罹っている成人、特に女性に多く、豆乳類ややわらかい豆腐などの口腔内での吸収性が高い大豆加工食品が、このタイプのアレルギーを引き起こす可能性があると言われています。

タイプの異なる大豆アレルギーについてのご注意!

近年、豆乳類や大豆飲料を主として、一般的な大豆アレルギー(大豆のクラス1食物アレルギー)とはタイプが異なる大豆アレルギーの発症例が報告されることがあります。これは、前述したような口腔内での違和感などを中心とした症状で、大豆のクラス2食物アレルギーであると考えられます。
これは、花粉症との交差反応性(※)で発症するため、他の大豆食品でアレルギー症状が出ていない方でも、花粉症(とくに、カバノキ科花粉症)の方や体調が不良のときは、念のため少量からの試飲をおすすめします。
※注)下記参照。

「交差反応とは」

体内にアレルゲン(抗原)が侵入すると免疫反応によって抗体(通常はIg抗体)をつくり、抗体がある特定のアレルゲンを認識しますが、交差反応とは、抗体がつくられる元となった抗原とは別の類似の抗原にも結合することを言います。
この抗原は、一般に元となる抗原とよく似た構造をしていることによって起こります。

日本豆乳協会の取り組み

日本豆乳協会では、近年の食物アレルギー事情の実態の知見を得るため、大豆のクラス2食物アレルギーについての研究情報等の収集をつづけています。
この度の国民生活センターの注意喚起表(http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20131205_1.pdf)やこれまでの日本豆乳協会の研究成果を踏まえ、今後とも、これまで以上に大豆食品や豆乳類などについての食物アレルギー、とくに大豆のクラス2食物アレルギーの研究(※)をしていく所存です。
その研究成果を公表しつつ、豆乳類に関わるアレルギーについての注意喚起や情報の発信に努めてまいります。
※ 当協会の「大豆や豆乳類についてのアレルギーの研究」は、主に近畿大学 農学部 教授 森山達哉先生に委託しています。