「豆乳は食べても飲んでも腸活に最適」と語る豆乳マイスターの藤橋ひとみさん

藤橋ひとみさん

今回は、豆乳マイスター“プロ”として、日本全国で活躍されている管理栄養士の藤橋ひとみさんに編集部がインタビューしました。藤橋さんは、フリーの管理栄養士として活躍されており、同時に、豆乳マイスターとして、また、豆腐マイスター認定座学講師、食育豆腐インストラクター、おから味噌インストラクターとしても精力的に活動されています。現在は、東京大学大学院にて医学博士取得に向けて、栄養疫学研究を行っています。

藤橋さんのお仕事について、教えてください。

藤橋さん:現在は、フリーランスの管理栄養士です。昔から、豆腐が大好きだったことがきっかけで“大豆の世界”にはまりました。豆腐を作るときにできるおからや豆乳、さらに大豆油(ソイオイル)や味噌に関しても勉強し、資格を取得するほどの“大豆好き”です。大豆関連の資格は全て制覇しようと思っています。こうして得た知識を元に、豆乳や豆腐の魅力を多くの人々に伝える活動ができたらという思いから、本を出版したり、メディアからの取材を受けたりしています。

大豆や豆乳、豆腐に興味を持たれたのはどのようなきっかけからですか?

藤橋さん:大学時代に発症したアトピーを克服するために行った食事改善で、毎日の食事に大豆を積極的にとり入れるようになったことがきっかけです。

私は茨城県の出身で、大学入学のため上京したのですが、そこで食べ物やライフスタイルが激変しました。上京して1年ぐらい経った頃に、全身に重度のアトピーが出てしまい、病院や薬に頼りっきりの生活をしていましたが、なかなか治らずに苦しんでいる中で出会ったのが、体の内側から体調を整えていく体質改善、食養生と言われる考え方でした。すぐに、病院通いや薬に頼ることを一旦止めて、食養生にチャレンジしてみたのです。その時とり入れたのは、腸内環境を整えることを意識して動物性食品や加工食品を抜いた、玄米菜食の食生活だったのですが、その食生活を開始したところ、3ヵ月くらいから徐々に変化が見られ、綺麗なお肌に生まれ変わり、1年、2年と経つうちにアトピーだったことがうそのように綺麗になっていったのです。その時の食事で、主なたんぱく源として積極的にとりいれていたのが大豆でした。豆腐を活用して様々な料理にしてみたり、牛乳の代わりに豆乳を使って料理したりしていくうちに、大豆の魅力にはまっていったのが大豆オタクになったきっかけです。つまり、大豆は私の救世主的な存在であり、その魅力を多くの方に伝えたいと考えるようになりました。

豆乳も、藤橋さんの人生の転機で役にたったのですね?

藤橋さん:はい。豆乳の魅力というのは、動物性のものが食べられない方の食事の選択の幅を広げてくれます。腸内環境を整えるという意味でも豆乳には、腸内の善玉菌のエサとなるオリゴ糖が含まれているところが魅力的です。

藤橋さんの考える腸活について、教えてください。

藤橋さん :腸活を意識する際には、腸内で善玉菌として働く”プロバイティクス”と善玉菌のエサになる成分である”プレバイオティクス”を毎日の食生活の中にとり入れていきます。後者の”プレバイオティクス”には食物繊維とオリゴ糖が該当します。豆乳は、大豆オリゴ糖が摂れるので、腸活にもとても役立つ飲料であり、食材です。

腸活以外にも、豆乳が健康に良い点はありますか?

藤橋さん :大豆には、“大豆イソフラボン”という成分が入っています。この“大豆イソフラボン”は、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンに構造が類似しているため、エストロゲンと同様な働きをしてくれることが明らかになっています。例えば、骨粗しょう症の予防に効果があるという研究データがあります。また、牛乳に置き換えて豆乳を使う方が多いと思いますが、生活習慣病予防の観点からも、豆乳にはメリットがあります。牛乳には、摂り過ぎると生活習慣病のリスクを高めてしまう飽和脂肪酸が含まれていますが、豆乳にはほとんど含まれていません。牛乳であれば100gあたり2.3gほど含まれているのですが、豆乳の場合0.3gほどでほぼ0に近いので、脂の多いお肉、バターや生クリームなど乳脂肪を多く含む乳製品をよく召し上がる方には、特に牛乳を豆乳に置き換えることをお勧めします。

大豆関係の資格を多数お持ちですが、豆乳マイスターを取得されたきっかけは何ですか?

藤橋さん :まず最初に豆腐について興味を持ち、豆腐マイスターを取得しました。その後、豆腐マイスター認定講座の講師の仕事を行っており、もう7年くらいになります。この豆腐をはじめとする大豆関連の活動を進めていく中で、豆乳マイスターの存在を知り、受験したのがきっかけです。豆乳マイスターをはじめとする、豆腐や大豆関連の資格が、現在の私の講演活動や執筆活動に大きく役にたっています。

最後に、おすすめの豆乳の飲み方、食べ方について教えてください。

藤橋さん :たくさんあるのですが、今日は2つご紹介しますと、1つ目は “ハチミツきな粉豆乳”です。腸活を意識されている方に特におすすめの飲み方で、豆乳に食物繊維やオリゴ糖が多く含まれている食材を加えて飲むことを意識した組み合わせです。きな粉は大豆を砕いて粉末にしたもので、食物繊維や大豆オリゴ糖が含まれていて、ハチミツにもオリゴ糖が入っているので、さらにプラスすることができます。あとは、そこにバナナを加えてミキサーにかけ、スムージーにしても良いですね。

2つ目は、台湾の朝ごはんの定番 “鹹豆漿(シェントウジャン)”です。

ここ数年、台湾ブームが巻き起こり、美味しい鹹豆漿(シェントウジャン)が食べられるお店が日本にもオープンしたことから、注目を集めています。鹹豆漿は、温かい豆乳にお酢やしょうゆなどの調味料を入れて、ザーサイやねぎ、パクチーなどの薬味を加えて食べるシンプルな料理です。お酢に温かい豆乳を加えると、おぼろ豆腐のようにゆるく固まります。豆乳とお酢やしょうゆなどの発酵調味料は、腸活にもおすすめ組み合わせです。手軽に食べられてヘルシーなので、朝ごはんやダイエット中の間食に最適です。

ありがとうございました。引き続き、豆乳マイスターとしてのご活躍、よろしくお願いいたします。

なお、豆乳マイスターとして、活躍する藤橋ひとみさんのホームページはこちらです。

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