豆乳や大豆などを活用して、積極的に食育活動に取り組む「太陽の子保育園」

太陽の子保育園では、アレルギー対応として給食に豆乳を取り入れたり、調理体験として豆腐作りを体験したり、菜園活動を行ったりなど、積極的に園児の食育活動に取り組んでいます。そこで今回は、太陽の子保育園で管理栄養士として活躍している吉永弘美さんにお話をお伺いしました。

自己紹介をお願いします。

吉永さん:太陽の子保育園で、栄養士として働いています。普段は給食の献立を考えたり、子どもたちの栄養管理をしています。また、太陽の子保育園には、施設の一部を利用した子育て支援センターも開設しています。子育て支援センターは、太陽の子保育園に通園していないお子さんを持つ保護者の方も利用することができるので、離乳期の食事など、子育てに関する食の相談を聞いてアドバイスもしています。

太陽の子保育園の食育活動や、給食へのこだわりについて教えてください。

吉永さん:子どもたちへの食育については、給食の栄養管理だけではなく、菜園活動や調理体験なども行っております。菜園活動については、育てるだけではなく、その日に収穫したものを、その日のうちに食べることも行っております。育てる野菜は季節にもよりますが、じゃがいも、トウモロコシ、なす、ピーマン、ニラなど様々です。ピーマンやなす、ニラなどは、子どもが嫌いな代表的な野菜ではありますが、そういった野菜をあえて菜園に取り入れたいという保育士さんからの要望もあり、取り入れています。苦手な野菜がある子どもたちも、自分で育てて収穫して、炒めてみるなどの“食べる”という以外の方法で、野菜と接点を持つことで、野菜への親近感や興味がわいて、「食べてみよう」という気持ちが芽生えやすいですね。

▲じゃがいも堀りの様子

吉永さん:給食は、基本的に和食中心で献立を考えています。2月は節分もあることから大豆製品月間として、給食には油揚げなどの大豆製品などを多く取り入れました。このほかにも、味噌づくりをしたり、豆まきの大豆できな粉を作ったりもしました。

吉永さん:年長さん(5才くらい)になると、理解する力が備わってくるので、大豆や小麦を利用してどんなものが作られているのか、牛乳はどうやってできているのかについても説明をしています。

給食などで豆乳を活用されている理由について教えてください。

吉永さん:豆乳を取り入れるようになったきっかけは、乳アレルギーへの対応です。10年くらい前から乳アレルギーを持つ子どもが入園することが増えてきたので、給食のレシピに豆乳を使うようになりました。それまで豆乳を使用することはなかったのですが、例えばみそ汁に豆乳を入れることで、おいしさはそのまま、たんぱく質を摂ることができるので、メニューのバリエーションや選択肢が増えて重宝しています。

▲豆乳カレーうどん

料理で使用されている牛乳を豆乳に置き換えたり、みそ汁に豆乳を入れたりもするとのことですが、子どもたちの反応はいかがですか。

吉永さん:子どもたちは、豆乳に置き換えたからといって、嫌がることはなく普段の料理と変わらずに、おいしく食べている様子です。豆乳を入れることで、まろやかさを増したり、あっさりとした仕上がりにすることもできます。今後も、アレルギー対応のためだけではなく、栄養やカロリーの観点からも、給食やおやつに豆乳を取り入れていきたいと思います。

▲豆乳ほうとう

今後の取り組みについて教えてください。

吉永さん:普段の保育や食育活動を通して、自分で食材を選んでバランスよく食べられる、食べることを楽しむことができる子どもを育てていきたいですね。食材についても、子どもたちの発育段階に合わせて、危険な可能性があるからといって、避けるだけでは無く、しっかりと噛んで食べるということを教えるなど、その子が大人になっても困らないよう、子どもたちに寄り添いながら教育をしていきたいと思います。


貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

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