筋肉は人生を豊かにする──“自分を支える力”のつくり方
「筋トレをすると、気分が前向きになります。幸せホルモンのようなものが筋肉から出ていると、本気で思っているのです」そう語るのは、長年ハードな研究生活を送りながらも、日常的にトレーニングを続けている国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野 分野長 増富 健吉先生です。
“筋肉づくり”と聞くと、世代によっては、“健康のため”、また“ダイエットや体型づくりのため”というイメージを持つかもしれませんが、多くの人は、筋肉づくりはスポーツアスリートの問題と誤解していているのではないでしょうか。しかし、先生の語る”筋肉“とはもっと深く、もっと人間的なものです。”筋肉づくりは、人生を豊かにする“、先生のお話から、その理由が浮かび上がってきます。今回は、良質なたんぱく質源である「豆乳」が、大きく貢献できる「筋肉づくり」について、増富先生にお話をお聞きしました。
Q：先生は普段から筋トレを続けていると伺いました。なぜそこまで続けることができるのでしょうか？
A：学生時代にラグビーをしていた頃から筋トレは続けていますが、最近また本格的に再開したのです。なぜかというと、筋トレをすると気分が前向きになるということを、改めて実感したからです。ほんとに“幸せホルモンのようなものが筋肉から出ている”としか思えないのです」筋トレは、私にとって“体を鍛えるため”以上の意味があります。研究の現場は、精神的に疲れることも多いのですが、筋トレをしたあとは気分がスッと軽くなる…これはもう実感として確かで、筋肉から何か“良い物質”が出ているとしか思えないのです。友人たちも同じことを言うようになって、より確信が強まりました。筋肉を動かすことで脳内物質が変化するという話はありますが、私の場合は体感として「これは効いているな」と感じる瞬間が明確にあります。だから続けられるのです。
Q：筋トレによる体の変化としては、どんなことを感じていますか？
A：いちばん大きいのは、日常生活の負荷が軽くなるということですね。たとえば5キロの荷物を持つ時、ぎりぎりの力しかない人はすぐ息が上がる。でも、20キロ持てる筋力があれば5キロなんて軽く感じる。その差が、階段を上がる、長く歩く、荷物を持って歩く、こうした“生活のしんどさ”にダイレクトに出るのです。筋肉は“見た目のため”だけではなくて、人生を物理的に軽くする装置なのです。筋力があると、行動がラクになる。ラクだと行動範囲が広がる。すると気力も湧いてくる。気力が湧けば、また動けるようになる。この好循環は本当に大きいです。
筋トレは、身体を鍛えるというより自分との戦いです。決めた回数をこなす、昨日より1回多くやる、諦めたい気持ちに打ち克つ。誰かに褒められるためでも、見せるためでもなく、全部“自分のため”にやる行為ですよね。現代は、外からの情報が多くて、心が落ち着かないことが多い。でも、筋トレの時間だけは自分だけの時間です。その集中が、心の軸を整えてくれます。
Q：忙しい人でも続けるためのコツはありますか？
A：毎日ジムに行かなくてもよいのです。行ける日は行く、走れる日は走る。できない日があってもよい。私自身、毎日はとても行けず、週に3回程度です。大事なのは継続のハードルを下げることだと思っています。10回のスクワットでも、2分のプランクでも、階段を使うだけでも十分。「やらなきゃ」ではなく、「できる日にできるだけ」でよいのです。
こういう“小さな積み重ね”が、数年経つと本当に大きな差になります。
Q：筋肉づくりには、食事、特にたんぱく質が大切だと言われますが？
A：その通りです。筋肉は実際に食べたもので、できています。筋肉づくりのためにも、たんぱく質は本当に大事です。私自身、筋トレをしていると食事を強く意識するようになります。運動で刺激した筋肉の“材料”が体の中にないと、せっかくの努力が回復や成長につながりません。ただ、忙しいと毎食しっかりたんぱく質をとるのは難しいですよね。胃腸が疲れている日もある。そこで便利なのが豆乳のような負担の少ない植物性タンパク源です。豆乳は手軽に飲めて、朝の1杯でも、仕事の合間のソイラテでも、運動後の補給でも使える。続けやすいという点で、とても優秀だと思います。
Q：先生にとって、「筋肉」とはどんな存在ですか？
A：筋肉は、体と心の両方を支える最も重要な存在です。体が軽くなる、気分が前向きになる、メンタルが安定する、行動がしやすくなる──全部筋肉のおかげです。
そして、その筋肉を維持するために欠かせないのが、日々の食事とたんぱく質。たんぱく源となる豆乳も貢献度が高い。そして、私の愛読書の一つに「筋トレが最強のソリューションである（テストステロン著）」があるのですが、世の中の99%の問題は、筋トレとプロテインで解決するというようなことが書かれている本です。メンタル面や仕事がうまくいかない、痩せない、等、多くの人が書かれている普段の問題、悩みなど、人生のほとんどの悩みは筋トレで解決するということを教えてくれる本です。
結び：そういう意味では、「世の中の大半のことは豆乳が解決してくれる」ともいえるのかもしれません。本日は、ありがとうございました。
