骨粗鬆症対策としての豆乳

骨粗鬆症の実態

骨粗鬆症とは、骨の代謝のバランスが崩れて骨折しやすくなる病気のことです。日本には約1000万人以上の患者がいるといわれています。
骨は、「骨代謝」あるいは「骨の再構築」(リモデリング)と呼ばれている古い骨を壊して(骨吸収)、新しい骨に作り替える(骨形成)というサイクルを繰り返して絶えず生まれ変わっています。骨粗鬆症はこの骨代謝のバランスが加齢や閉経などといった様々な要因で崩れ、骨の量が減ってスカスカになった状態のことです。
人の骨の量は30代前後をピークにそれ以降減少しますが、特に閉経後の女性は骨を壊れにくくする働きをしていた女性ホルモン(エストロゲン)が極端に少なくなるため骨の量が急激に低下します。このため高齢者や女性に骨粗鬆症が多く見られます。最近では、食生活の乱れや過度のダイエットや運動不足などの原因により、高齢者だけでなく若い人でも骨粗鬆症のリスクの高い人が増えています。

骨粗鬆症対策

骨粗鬆症は大きく「原発性骨粗鬆症」と「続発性骨粗鬆症」に分けられます。
原発性骨粗鬆症とは閉経や加齢が原因で起こる骨粗鬆症です。骨粗鬆症患者の約90%が原発性の骨粗鬆症といわれています。骨は破骨細胞(古くなった骨を破壊する細胞)と骨芽細胞(新しい骨を作る細胞)がバランスよくはたらくことで強度を維持しています。閉経後にエストロゲンという女性ホルモンが減少すると、破骨細胞のはたらきが活性化し、破骨細胞のはたらきが新しい骨を作り出す骨芽細胞のはたらきを上回り、骨量が減少してしまいます。

続発性骨粗鬆症とは、閉経や加齢以外の何らかの原因によって二次的に起こる骨粗鬆症です。主な原因は、内分泌疾患・代謝性疾患や薬剤性、栄養性、生活習慣病などです。

骨粗鬆症の主な原因は、基本的に一つではなく、複数の原因が重なりあうことが一般的です。代表的なものとして、骨の新陳代謝の乱れ、加齢、運動不足、食生活の乱れ、喫煙、閉経後の女性ホルモンの乱れ、関節リウマチ、ステロイド薬などが挙げられます。

運動は骨や筋肉を強化し、骨の健康を維持するのに重要です。十分な運動をしないと、筋肉が弱まり、骨密度が低下し、骨粗鬆症の発症リスクも高まります。ウォーキングやサイクリング、水泳、ストレッチなど、できる範囲で運動をする習慣をつけ、忙しくて運動ができない場合は、階段の上り下りや、ひと駅前から歩くなど、日常生活の中で身体を動かす機会を作るとよいでしょう。食生活の乱れは、必要な栄養素を供給できないことから、骨の健康にも大きな影響を及ぼします。骨の健康のために必要な栄養素は、カルシウム、ビタミンD、タンパク質、マグネシウム、ビタミンKが挙げられます。食生活の乱れは骨のみでなく、身体全体の健康にも深く関係してきます。日頃からバランスの良い食事や適度な運動を心がけて生活習慣に気をつけ、骨の量を増やしておくことも大切です。

骨粗鬆症対策としての豆乳のすすめ

骨粗鬆症を予防するには、日頃から乳製品や肉、魚などを食べてカルシウムを補給する必要があります。同時に大豆製品も積極的に取り入れましょう。大豆には、イソフラボンというフラボノイド(植物の色素成分)が豊富に含まれており、このイソフラボンが体内でエストロゲンに似た働きをしてくれると言われています。更年期による骨粗鬆症が不安な方は、毎日の食事に積極的に豆乳や豆腐のみそ汁などの大豆製品を取り入れ、骨を造る働きを活発にしてくれるビタミンDやビタミンKなどの栄養素を含む卵や魚、小松菜なども一緒に食べると、さらに効果がアップします。

ただし、食品安全委員会では、イソフラボンの摂取目安量の上限を1日に70〜75mgに設定しています。イソフラボンの量は、納豆1パックに36mg、木綿豆腐2分の1丁に42mg、豆乳200mlに41mg、みそ汁1杯に6mgです。骨密度は加齢とともに低下していきますが、生活習慣を改善すれば、その低下を緩やかにすることができます。毎日の生活に豆乳を取り入れて骨粗鬆症を予防しましょう。

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