紫外線が気になる季節に。“内側からのケア”としての豆乳活用術

夏が近づき、紫外線による肌のダメージが気になる季節がやってきました。日焼け止めや日傘など「外側からの対策」は広く知られていますが、「内側からのケア(インナーケア)」にも注目が集まっています。
その一つが、日々の食生活の見直しです。今回は、美容への意識が高い女性から高い支持を得ている「豆乳」が、体の内側からの紫外線対策に役立つのかを解説していきます。

紫外線ダメージと酸化ストレスの関係

紫外線を浴びると、体内では活性酸素が発生し、酸化ストレスを引き起こします。酸化ストレスは、シミやシワなど肌老化の要因になるだけでなく、免疫機能の低下や体内で起こる炎症にも関与すると考えられています[1]。さらに、強い紫外線を長時間浴びることで、皮膚細胞のDNA損傷が起こりやすくなり、健康リスクを高める可能性があると報告されています[2]。

この酸化ストレスに対抗する鍵となるのが、体内の抗酸化力。酸化ストレスに対抗するには、抗酸化物質を含む食品を日常的に取り入れることが重要です。

豆乳に含まれる注目成分「大豆イソフラボン」

豆乳に含まれる大豆イソフラボンは、抗酸化作用をもつポリフェノール(フラボノイド)の一種で、体内の活性酸素を除去する働き(抗酸化作用)があることが明らかにされています。また、女性ホルモンに似た作用をもち、更年期障害の軽減や骨粗鬆症の予防等に有用であるとされています[3]。

続けやすい「インナーケア」としての豆乳

豆乳は、低脂質・高たんぱくなだけではなく、葉酸やカリウム、鉄など、肌と体の調子を整える栄養素をバランスよく含んでいます。コレステロールが気になる方にも適しており、スムージーやスープ、ドリンクなど、日常のさまざまな場面で手軽に取り入れることができます。紫外線が強くなるこれからの季節、豆乳を日々の食事にプラスすることで、肌を内側から守る力を養っていきましょう。

紫外線が気になる季節、抗酸化を意識した食生活を

これからの時期、紫外線対策にはインナーケアも欠かせません。野菜や果物、大豆製品など、抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミン等を含む植物性食品の摂取を意識してみてはいかがでしょうか[4]。豆乳もその一翼を担う存在として、毎日の食生活に取り入れたい食品のひとつです。


【参考文献】(全て2025年6月6日参照)

[1] 環境省, 令和5年度(2023 年度)オゾン層等の監視結果に関する 年次報告書, 第3部太陽紫外線の状況, 参考資料1.紫外線による人の健康への影響
https://www.env.go.jp/content/000293594.pdf

[2] 環境省, 紫外線環境保健マニュアル2020
https://www.env.go.jp/content/900410650.pdf

[3] 食品安全委員会, 大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方
https://www.fsc.go.jp/hyouka/hy/hy-singi-isoflavone_kihon.pdf

[4] 厚生労働省, e-ヘルスネット, 抗酸化ビタミン
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-008.html


【プロフィール】藤橋ひとみ

株式会社フードアンドヘルスラボ 代表取締役、管理栄養士

東京大学大学院医学系研究科修了(医学博士)。すべての人が毎日の食事で 心と体のトラブルを予防・改善できる社会づくりに貢献すべく、レシピ開発、コラム執筆、メディア出演など幅広く活動中。豆乳マイスター“プロ”のほか大豆製品に関する資格を多数取得し、管理栄養士の知識を活かしながら、その魅力を発信している。

【ホームページ】https://is-food-health-labo.com/

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