アメリカの豆乳・ソイラテ事情

消費者の健康意識、植物由来の食事への嗜好の高まりから、世界でも豆乳の市場規模は拡大傾向にあります。今回は、「世界の食料庫」と呼ばれ、世界有数の農業大国であると同時に世界第2位の大豆生産国であるアメリカの豆乳事情について紹介します。

アメリカの豆乳市場規模

世界の豆乳市場は、健康志向やプラントベース飲料への関心の高まりにより、近年成長を続けています。2023年には市場規模が約50億8,000万米ドルとされ、2033年までに88億6,000万米ドルに達すると予測されています。

また、北米は、消費者の健康意識の高まりにより、乳製品の代替品使用が増加していることから、2023~2030年の予測期間中に豆乳市場で最も速い年平均成長率(CAGR)で成長すると予測されています。豆乳は、動物性食品を控えて健康を増進させたいという考えの消費者や、乳糖不耐症の人にとって、植物性でコレステロールを含まない代替品として評価されています。スーパーマーケットや食料品店が、植物性製品コーナーを設置したり、さまざまなバリエーションの豆乳を提供し製品が多様化したりしていることも、この傾向をさらに後押ししています。(出典:SPHERICAL INSIGHTS)

また、米国食品医薬品局(USFDA)は、大豆は心臓病のリスクを軽減すると発表しており、豆乳は悪玉コレステロール値を下げてくれるため、心臓病患者に好まれる傾向があるようです。心臓病患者のみならず、アメリカでは肥満や生活習慣病、過体重の問題によりコレステロールフリー食品の需要がかなり高まっています。

アメリカの豆乳の種類とメーカーを紹介

日本と同様にアメリカでも多種多様な種類の豆乳が販売されています。

Unsweetened Soy Milk(無糖豆乳)は、日本の無調整豆乳にあたり、大豆と水のみで作られたシンプルな豆乳です。料理にも使いやすく、健康志向の人々に好まれています。ただ、アメリカでは、「Unsweetened」と書かれていてもフレーバーが加えられている場合があるため、購入時には原材料を確認することが重要です。

Flavored or Sweetened Soy Milk(フレーバー豆乳または加糖豆乳)は、調製豆乳で、砂糖や塩、フレーバーが加えられた飲みやすいタイプです。チョコレートやバニラなどのフレーバーが人気のようです。

Soy Milk Beveragesは豆乳飲料で、栄養強化や特定の目的に合わせた製品です。ビタミンやカルシウムが添加されているものが多くあります。

アメリカの主な豆乳製造会社としては、豆乳やアーモンドミルクなどの植物性飲料を提供する大手ブランドのSilk、無調整豆乳を含むオーガニック製品を展開するWestsoy、オーガニック豆乳やその他の植物性飲料を製造しているPacific Foods、高品質なオーガニック豆乳を提供するEden Foods、自社ブランドで無調整豆乳を販売しているTrader Joe’sなどがあります。

アメリカのソイラテ

アメリカのスターバックスでは、カフェラテのミルクを細かくカスタムすることができるようになっています。ミルクの種類は12種類あり、ソイも選択することができます。

日本ではまだあまり馴染みのないフラットホワイト(Flat White)でも、カフェラテと同様にミルクの種類が選択できます。フラットホワイトとは、エスプレッソコーヒーにミルクを加えた飲み物のことで、1990年代にオーストラリアやニュージーランドなど、オセアニア地域のカフェに登場したのが始まりであるとされています。

カフェラテが、エスプレッソコーヒーとスチームドミルク(蒸気で温めたミルク)が1:3~4であるのに対し、フラットホワイトは、エスプレッソコーヒーとスチームドミルクが1:2~3となり、エスプレッソの苦味とコクを感じつつ、ミルクのまろやかさも楽しめます。

日本のスターバックスでは、フラットホワイトというメニューは販売されていないため、「ショートラテ+エスプレッソショット追加」や「ソイラテ+エスプレッソショット追加」で似た味わいを再現できるでしょう。

今回は、近年拡大傾向にあるアメリカの豆乳市場についてご紹介しました。アメリカを訪れた際は、ぜひ、日本では飲む機会の少ないフラットホワイトのソイミルクを楽しんでみてください。

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