「豆乳」とは

近年、健康志向の高まりから、植物性ミルクの需要が伸びてきています。今回は、植物性ミルクの代表格である「豆乳」についてご紹介しましょう。

豆乳とはどんな食品?

豆乳とは、大豆を水に浸してすりつぶし、煮て濾した液体のことで、牛乳に似た外観を持っています。大豆をすりつぶして液体を絞り、汁と滓(かす)に分けたときの汁が豆乳になり、滓がおからになります。そして、豆乳に凝固剤(にがり)を入れて固めると豆腐になります。

豆乳は、無調整豆乳、調製豆乳、豆乳飲料の3種類に分けることができます。

○無調整豆乳

無調整豆乳とは、大豆と水以外の原料を使用していない豆乳のことです。日本農林規格(JAS規格)により、大豆固形分8%以上(大豆たんぱく質換算3.5%以上)と定められています。

【商品例】

キッコーマン 北海道産大豆 無調整豆乳

大豆の中でも、甘みが強いと言われている北海道産大豆を100%使用し、大豆と水だけで作った無調整豆乳です。

マルサンアイ 濃厚10%国産大豆の無調整豆乳

国産大豆100%使用、大豆固形分10%の濃厚タイプです。しっかりした大豆の風味を楽しむことができます。

○調製豆乳

調製豆乳とは、大豆を搾った大豆豆乳液に飲みやすくなるよう調味料や植物油脂などを加えて味や香りを調整したものです。日本農林規格(JAS規格)により、大豆固形分6%以上(大豆たんぱく質換算2.8%以上)と定められています。

【商品例】

キッコーマン 砂糖不使用 調製豆乳

「キッコーマン 調製豆乳」の飲みやすさはそのままに、砂糖を使用せず、大豆のやさしい甘みを活かしています。

マルサンアイ 調製豆乳 カロリー45%オフ

「マルサンアイ 国産大豆の調製豆乳」に比べ、カロリーを45%抑えた低糖質・コレステロール0の調製豆乳です。

〇豆乳飲料

豆乳飲料とは、調製豆乳に果汁やコーヒー、フルーツなどを加えたもので、果汁入りとその他に分けられます。日本農林規格(JAS規格)により、果汁入りは大豆固形分2%以上(大豆たんぱく質換算0.9%以上)、その他は大豆固形分4%以上(大豆たんぱく質換算1.8%以上)と定められています。

【商品例】

キッコーマン 豆乳飲料 塩キャラメル

キャラメルのコク深い甘さとクセになるしょっぱさが絶妙にマッチした味わいです。

マルサンアイ 1日分のカルシウム&ビタミンD 豆乳飲料 バナナ

1本で1日分(※)のカルシウムとビタミンDを摂取できる豆乳飲料です。バナナのやさしい甘みと香りがあり、すっきりした飲みやすい味わいです。

※1日当たりの栄養素等表示基準値2020年版(18歳以上、熱量2,200kcal):カルシウム 680㎎、ビタミンD 5.5㎍

ふくれん 豆乳飲料 すもも

九州産の大豆の豆乳に福岡県産のすももがブレンドされています。

豆乳に含まれる栄養素

▶三大栄養素の1つ!「たんぱく質」

豆乳にはコップ1杯(200ml)あたり7.2gの植物性たんぱく質が含まれています。

豆乳に含まれるたんぱく質は、たんぱく質の質を評価する指標であるアミノ酸スコアが満点の100点で、体に効率的に吸収されます。大豆たんぱく質は、体の中で合成できない必須アミノ酸をバランス良く含む、良質なたんぱく質です。抗ストレス作用があるGABAというアミノ酸を含んでいるため、体をリラックスさせ、ストレスを軽減させる効果もあります。

▶美肌に効果的!「ビタミンB群」

豆乳には、ビタミンB2、B6などのビタミンB群が比較的多く含まれています。ビタミンB群は、炭水化物、脂質、タンパク質のエネルギー代謝をサポートし、日々の疲労感を軽減します。

ビタミンB2は、皮膚の健康を維持し、肌の再生や修復をサポートします。ストレスなどによる充血や肌荒れ、にきび、湿疹、口内炎の改善効果もあります。

ビタミンB6は頭皮の健康に関与し、髪の成長を促進する役割があるほか、疲れによる皮膚炎、口内炎、イライラなどの改善も期待できます。

▶むくみの解消に!「カリウム」

豆乳にはカリウムが豊富に含まれています。カリウムはナトリウム(塩分)を体外に排出する作用を持つため、体水分を調節して血圧を正常に保ち、むくみを解消することができます。また、カリウムには細胞内液の浸透圧の保持や筋肉の収縮、体液の酸性・アルカリ性のバランス調整などのはたらきがあります。

豆乳に含まれる成分

▶悩める女性の味方!「大豆イソフラボン」

ポリフェノールの一種であるイソフラボンは、強い抗酸化作用を持ち、コレステロール値の上昇を抑える働きがあります。女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするため、女性ホルモンのバランスを整えてくれ、更年期障害や、PMS、生理痛、生理不順の周期改善も望めます。

▶動脈硬化予防にも!「レシチン」

レシチンは悪玉コレステロールを減らしてくれることから、生活習慣病の予防になると言われています。また、脳を活性化するはたらきがあり、集中力・記憶力アップも期待されます。レシチンには乳化作用があるので、ビタミンEやKなどの脂溶性ビタミンの吸収を促進してくれます。

▶強い抗酸化作用がある!「大豆サポニン」

サポニンには活性酸素のはたらきを抑える抗酸化作用があるため、肌を老化から守りシミやそばかすを予防する効果が期待できます。血液中の余分な脂肪を取り除くはたらきもあり、肥満を予防する効果があるといわれています。

▶腸内環境を整える!「大豆オリゴ糖」

腸内環境改善には、善玉菌を増やすことが重要です。オリゴ糖は胃で消化されずに大腸へ届き、腸内に棲むビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌のエサとなります。そのため、腸内の善玉菌の割合が増えて腸内環境が良くなり、便秘解消にもつながります。大豆オリゴ糖は、食物繊維と同じような役割を持ち、デトックス効果が期待できます。

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