知るともっと好きになる! 豆乳に含まれる機能性成分とは?
豆乳にはたんぱく質をはじめ、ビタミン、ミネラルなど様々な栄養素が含まれています。それに加え、近年注目されているのが豆乳に含まれる“機能性成分”です。有名なものに“大豆イソフラボン”がありますが、実は他にも様々な機能性成分を含むことをご存じですか?
今回は、豆乳好きな皆様にぜひ知ってほしい、豆乳に含まれる機能性成分をご紹介していきます。
そもそも機能性成分ってなに?
一般に生命維持のために必要不可欠な栄養素ではないものの、それをとることで健康増進や疾病予防への効果が期待される成分のことをいいます。細胞にダメージを与える活性酸素の発生やその働きを抑える抗酸化作用をもつ特徴があります。
よく知られている機能性成分の例としては、お茶に含まれる“カテキン”やチョコレートなどに添加されている“γ-アミノ酪酸(GABA)”が挙げられます[1,2]。
一見難しい専門用語にみえますが、機能性成分の正体について少しご理解いただけたでしょうか。それでは次に、豆乳にどのような機能性成分が含まれているのかをみていきましょう。
豆乳に含まれる代表的な機能性成分
豆乳には様々な機能性成分が含まれていますが、今回はその中から代表的なものを3つご紹介します。
これらは、豆乳製品(無調整豆乳、調製豆乳、豆乳飲料)のうち特定保健用食品や機能性表示食品として販売されている製品に含まれている関与成分(※)としても認可されているものです [3,4]。
※原材料の大豆由来のもののみ、特別に添加をしているものを除く
■大豆イソフラボン
骨の成分を維持する働きによって、骨の健康に役立つことが報告されています。
■大豆たんぱく質
血清コレステロールを低下させる働きがあることが報告されています。
■大豆ベータコングリシニン
肥満気味の方の高めのBMIを低下させる機能、および高めの血中中性脂肪値を低下させる機能が報告されています。
これらのほかにも、抗酸化作用をもつ大豆サポニンや、血中コレステロール低下作用をもつレシチン、腸内環境を整えてくれるビフィズス菌や乳酸菌の栄養源となる大豆オリゴ糖などを含むことが分かっています[5,6]。
さらなる魅力を知って、もっと豆乳を楽しもう!
皆さんはこの3つ、すべてご存じでしたか?
豆乳は、機能性成分という側面からも、魅力がある食品であるといえるでしょう。
ただし、“機能性成分を含む”といっても一度に大量に豆乳を飲んだからといって、その成分に期待される健康効果が得られるわけではありません。どのような食品であれ同じですが、適量を習慣的に取り入れることが大切です。
毎日の食生活の中に上手に取り入れて、健康維持に役立ててくださいね。
【参考文献】(全て2024年3月4日参照)
[1] 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品機能性研究センター, 機能性成分
https://www.naro.affrc.go.jp/org/nfri/ffrc/katsudo/seibun.html
[2] 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品機能性研究センター, 機能性成分・評価情報データベース
https://www.naro.go.jp/laboratory/nfri/contens/ffdb/index.html
[3] 消費者庁, 特定保健用食品について, 特定保健用食品許可(承認)品目一覧 (令和5年12月22日更新)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_for_specified_health_uses
[4] 消費者庁, 機能性表示食品の届出情報検索
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/
[5] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 豆類/だいず/[その他]/豆乳/豆乳
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=4_04052_7&MODE=8
[6] 日本豆乳協会, 豆乳の栄養成分
https://www.tounyu.jp/about/component.html
【プロフィール】藤橋ひとみ
株式会社フードアンドヘルスラボ 代表取締役、管理栄養士
東京大学大学院医学系研究科修了(医学博士)。すべての人が毎日の食事で 心と体のトラブルを予防・改善できる社会づくりに貢献すべく、レシピ開発、コラム執筆、メディア出演など幅広く活動中。豆乳マイスター“プロ”のほか大豆製品に関する資格を多数取得し、管理栄養士の知識を活かしながら、その魅力を発信している。
【ホームページ】https://is-food-health-labo.com/