胃腸が疲れ気味な時の救世主、豆乳のやさしい栄養補給術

1月は親族の集まりや職場や仲間との新年会など、人が集まる機会が多くなるシーズンです。忙しい日々の中で、胃腸の不調を感じることはありませんか。不規則な生活やストレスが胃腸に負担をかけ、体調を崩す原因になることもしばしばでしょう。そんな時、豆乳は体にやさしく栄養補給をサポートしてくれる強い味方です。
今回は、胃腸が疲れ気味な人に取り入れてほしい豆乳活用術を紹介します。
豆乳で胃腸にやさしく栄養補給
胃腸が疲れている時には、消化しやすく栄養価が高い食品を選びたいところです。豆乳は大豆を原料とした植物性飲料で、脂肪分が少なく消化に優れ、胃腸への負担が少ないという特徴があります[1]。また、腸内の善玉菌を活性化し、腸内環境を整える手助けをしてくれる大豆オリゴ糖を含みます。特に、豆乳を発酵させた発酵豆乳は腸内細菌叢に良いアプローチをしてくれることが報告されています[2]。また、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまう乳糖不耐症人にとっても、豆乳は良い代替品と言えるでしょう。

疲れ気味な時こそ、豆乳でチャージしたい栄養素
豆乳の優れている点の1つとして、食欲が落ちると不足しがちなたんぱく質を補えることがあげられます。たんぱく質は筋肉や皮膚、臓器など体の主な構成成分で、酵素やホルモンとして代謝を助ける働きのほか、免疫細胞の元となり生体防御にも役立っているため、特に、今の時期は不足に気をつけたいものです[4]。その他にも、カリウム、鉄、カルシウムなど不足に気をつけたい栄養素をとることができる点も、豆乳の良いところ[1,3]です。疲れ気味な時の栄養補給に豆乳を頼ってみてはいかがでしょうか。
弱った胃腸にやさしい豆乳活用アイディア
次に、胃腸が弱っている時でも豆乳を美味しく取り入れられる方法を紹介します。
◼️そのまま飲む場合
ホット豆乳:胃腸を冷やさないよう、温めて飲むとよいでしょう。
◼️料理で活用する場合
豆乳スープ:消化に良い野菜(大根、にんじん、かぶなど)を具材に入れ、豆乳をベースにコンソメや味噌で味付けすれば、簡単に体が温まる胃腸にやさしいスープが作ることができます。
豆乳がゆ:おかゆを作る際に水の代わりに豆乳を使用することで、栄養価を高めることができます。
豆乳甘酒プリン:豆乳に麹甘酒を加えて甘みをつけ、ゼラチンなどで固めるだけで体にやさしいスイーツが作れます。甘酒を、はちみつで代用して甘さをつけるのも適しています。

忙しい日々を、豆乳の力を借りて元気に乗り切ろう!
胃腸に不調を感じたときは、消化に良く栄養価の高い豆乳を取り入れることで、体にやさしく栄養補給をすることが可能です。適量を守りながら、さまざまなシーンで豆乳を活用してみてください。忙しい日々を元気に乗り切るために、豆乳の力を借りてみてはいかがでしょうか。
【参考文献】(全て2025年1月22日参照)
[1] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 豆類/だいず/[その他]/豆乳/豆乳
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=4_04052_7
[2] Belobrajdic DP, et al. Soy and Gastrointestinal Health: A Review. Nutrients. 2023 Apr 19;15(8):1959.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10144768/#B8-nutrients-15-01959
[3] 消費者庁, 栄養成分表示及び栄養強調表示とは
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/assets/food_labeling_cms206_20220531_02.pdf
(※含む旨の基準は100kcalあたりを参照)
[4] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2025年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316585.pdf
【プロフィール】藤橋ひとみ
株式会社フードアンドヘルスラボ 代表取締役、管理栄養士
東京大学大学院医学系研究科修了(医学博士)。すべての人が毎日の食事で 心と体のトラブルを予防・改善できる社会づくりに貢献すべく、レシピ開発、コラム執筆、メディア出演など幅広く活動中。豆乳マイスター“プロ”のほか大豆製品に関する資格を多数取得し、管理栄養士の知識を活かしながら、その魅力を発信している。
【ホームページ】https://is-food-health-labo.com/