豆乳を飲んで体の内側から美しく!

6月の梅雨の時期が本格化し始めると、湿度が高く、気温も蒸し暑い日が多くなります。ジメジメした空気によって、心も体も過ごしにくくなり、お肌がつい汚れがちになってしまう人も多いのではないでしょうか。紫外線が徐々に強くなるこの季節は、汗と一緒に肌の水分まで蒸発し、肌のキメが乱れてしまいます。
今回は、美容のサポートを手助けする役割を持つ豆乳の効果について紹介します。豆乳は、性別にかかわらず、多くの人にとって嬉しい力をたくさん持っています。日々の食事に少し取り入れてみるだけで、体の外側も内側も健康に美しくなることでしょう。
豆乳が持つ、美につながるうれしい成分
豆乳は、私たちの体の健康を支える役割を担う一方で、美肌を維持したり、肌のターンオーバーを活性化させたりなど、美容のサポートを手助けする役割を果たしています。抗酸化作用のあるサポニンや、ビタミンEは、老化の原因とされる活性酸素の働きを弱める効果があります。活性酸素は、体内の代謝によって自然に発生するものですが、ストレスや外的環境によって、過剰発生してしまうことがあります。しかし、豆乳を摂取することによって、過剰に発生した活性酸素のはたらきを弱めることが可能になります。
また、大豆に含まれるポリフェノールの一種であるイソフラボンには、女性ホルモンである「エストロゲン」を補う効果があるとされていて、ホルモンバランスを整え、ハリのある肌へと導く効果が期待されています。イソフラボンは、コラーゲンを増やす働きをするため、肌のバリア機能を向上させ、ターンオーバーの促進、ニキビの悪化・発生を防ぐ手助けをします。そのほかにも、レシチンによる美肌の維持など、豆乳には、摂取することで得られる美容へのさまざまな効果があるのです。
吸収効率の面で見ると朝の時間帯には劣ってしまいますが、美肌効果に期待する人は夜の時間帯に豆乳を飲むことをおすすめします。夜に豆乳を飲むことを続けると、翌朝のメイク乗りなどで美容効果を実感できるかもしれません。ただ、22時以降の飲食は体脂肪が蓄積しやすいので、夕食後や寝る2~3時間前に飲むのがよいでしょう。

豆乳は脳のアンチエイジングに効果あり?
6月14日は、認知症の原因といわれているアルツハイマー病を発見したドイツの医学者アルツハイマー博士の誕生日から、認知症予防の大切さをより多くの人に伝えることを目的に「認知症予防の日」と制定されています。
厚生労働省の研究班によると、2040年には認知症の高齢者は約584万人に上ると推計されています[1]。また、65歳以上の高齢者における認知症の人の割合は15%で、6.7人に1人がなると推計されています。認知症は、誰もが関わる可能性のある身近な病気です。日々の生活から健康を意識する必要があります。
また、中国の大学が行った、イギリスの中高年男女を対象にした植物性ミルクの摂取量と認知症発症リスクの関係性における研究によると、豆乳を飲む人だけが認知症のリスクが31%低下したことがわかっています[2]。この結果から、豆乳に含まれるイソフラボンや、不飽和脂肪酸などが認知症のリスク低下に影響しているのではないかとの見方が取られています。
- 大豆イソフラボン
豆乳の特徴成分である大豆イソフラボンはポリフェノールの一種で、女性ホルモンであるエストロゲンに似た効果があります。エストロゲンは、脳に対して認知機能の改善・神経細胞を保護する働きや、脳の血液循環を良くして脳細胞自体の働きを活発にする働きを持っています。 - 不飽和脂肪酸
脂肪酸は、脂肪を構成する物質で「不飽和脂肪酸」と「飽和脂肪酸」に分けられます。大豆をはじめとした植物性脂肪には、不飽和脂肪酸が多く含まれています。大豆の脂肪酸の約80%は、リノール酸やリノレン酸などの不飽和脂肪酸です。豆乳が含む多価不飽和脂肪酸は、人の体で合成できない必須脂肪酸と言われており、多価不飽和脂肪酸の摂取は、加齢に伴う脳体積の減少を抑制し、高齢者の脳の健康の維持につながる可能性が考えられています。 - レシチン
アルツハイマー型認知症の原因の一つに、脳内神経伝達物質アセチルコリンの減少があります。アセチルコリンの構成成分であるコリンは、レシチンから生成されるもので、材料となるレシチンやコリンが不足すると記憶力の低下や、認知症などを引き起こす原因となります。レシチンは、脳の老化予防やコレステロール低下の効果が期待されており、摂取することで、脳機能が正常に保たれやすくなり、認知症予防にも効果があると考えられています。
料理から豆乳を摂取して、美味しくキレイに
日本豆乳協会 豆乳レシピ甲子園受賞作品より
鯖をはじめとする青魚には、脳の構成成分であるDHA(ドコサヘキサエン酸)や、EPA(エイコサペンタエン酸)などが多く含まれており、アルツハイマー型認知症の予防に効果があるといわれています。缶詰や開き干しなどの加工食品にもDHAやEPAは含まれているので、取り入れやすい食品です。

◎材料:1人分
パスタ…100g
卵白…2個分
卵黄…2個分
ブラックペッパー…適量
大葉…適量
粉チーズ…小さじ1
【A】
無調整豆乳…100ml
薄口しょうゆ…少々
塩…少々
鯖缶…1/2缶
【B】
無調整豆乳…大さじ1
薄口しょうゆ…小さじ1
▲作り方はこちらのレシピを参考にしてみてください。
カレー粉に含まれるウコンにも、認知症の予防に役立つとされる栄養素が含まれています。豆乳もたっぷり使ったレシピですので、ぜひ試してみてください。

◎材料:2人分
無調整豆乳…200ml
トマト…180g
ゆで大豆…100g
じゃがいも…100g
玉ねぎ…120g
にんにく…1/2片
油…大さじ1
カレー粉…大さじ1と1/2
【A】
塩…小さじ1~1/2
シナモンパウダー…ひとふり
クミンパウダー…ひとふり
ナツメグパウダー…ひとふり
蜂蜜…大さじ1
▲作り方はこちらのレシピを参考にしてみてください。
【参考文献】
[1] 内閣官房,認知症施策推進関係者会議(第2回)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ninchisho_kankeisha/dai2/siryou9.pdf
[2] Deng Z, et al Clin Nutr, 2023:42:2058-2067
https://pmc.carenet.com/?pmid=37677911