超人気店、うわさの台湾豆乳朝食「東京豆漿生活」訪問記

平日の朝8時半、五反田の住宅街にひっそり佇んでいるお店の前に到着。店の扉には可愛らしい書体で、「東京豆漿生活」とあり、その横に小さな看板がおいてあるだけのシンプルな外観のたたずまい。

▲「東京豆漿生活」の入り口

本日は、こちらの台湾式朝食店「東京豆漿生活」にお邪魔します。台湾風の搾りたての豆乳が飲めるという情報は、豆乳好きならすでに把握していることでしょう。

まだオープン前という早朝にもかかわらず、すでに10人ほどの客が列をなしている超人気店です。列に並んでいる間も、焼きたてのパンの美味しそうな匂いが外にも立ち込め、ますます期待が膨らんでいくばかり。


▲ガラス張りの壁

待つこと30分、いよいよ開店です。お腹をすかせて入った店内は、清潔感にあふれ、木製のテーブルとイスが整然と並べられ、壁には、台湾を連想させる写真やポスター。バックに流れる台湾の現地ラジオ放送などなど、昔ながらの食堂を彷彿とさせる中国のレトロな雰囲気が施され、これから出される料理をおいしく味わうための演出が整っています。

▲オープンキッチン

カウンターで並んで注文するまでの間、オープンキッチンから本日のパンが焼きあがる光景がよく見えます。手袋を付けている店員さんが丼ぶりに豆乳をよそう様子や、軽食の焼餅(台湾風の焼きパン)にトッピングを入れて仕上げる様子など、作業風景も一目瞭然です。自分の順番が来るまでは、メニューを眺めたり、言葉はわからなくてもスピーカーから流れる台湾現地のニュースやラジオ番組に耳を傾けているうちに、噂の台湾朝食を味わう期待もますます高まります。

提供している豆乳はプレーン豆乳、鹹豆漿(しぇんどうじゃん)、黒糖豆乳、ゴマ豆乳の4種類。セットのパンも花生酥餅(ピーナッツ焼きパン)、韮菜酥餅(ニラ焼きパン)、蘿蔔絲酥餅(細切り大根の焼きパン)など数種類あり、焼きパンは揚げパンや葱、焼き卵、肉松(ローソン)などのトッピングも可能です。

肉松とは、日本でいう「田麩」の調理法で作られるものです。豚肉を砂糖や醤油で甘く味付けして乾燥させ、細かい繊維状に仕上げる、肉の田麩のような食べ物です。日本人にとっては好みが分かれる味ですが、中国をはじめとした国や地域ではよく料理やスイーツのちょい足しとして使用されています。


▲手前からゴマ豆乳(左)黒糖豆乳(右)そして奥が鹹豆漿

今回は、看板メニューの「鹹豆漿」、そして自家製のシロップで味付けされている「黒糖豆乳」と「ゴマ豆乳」を注文してみました。

さあ、いよいよ実食の時です。まずは鹹豆漿。揚げたてのパンに干しエビ、そして肉松がトッピングされており、その上にラー油を垂らして、ネギを一振り。華やかな見た目と豆乳の香りに、食欲をそそられます。

実際には、豆乳は豆乳でも、鹹豆漿の豆乳は上が液体ではなく、お酢を加えたことで、ほろほろとおぼろ豆腐のような柔らかく固まっています。豆乳のやさしい口当たりは変わりませんが、少し酸味と辛みの効いた濃厚な味わいは、いつも飲んでいる豆乳にはない新鮮な味わいで、美味しくてついつい完食。

▲ほろほろと柔らかい鹹豆漿

また、身体に良さそうな素材ばかりを使っているので、ダイエット中に食べても罪悪感はありません。旨みたっぷりのメニューですので、甘いものが苦手という人には、鹹豆漿がおすすめです。

この機会とばかりに、黒糖豆漿とゴマ豆漿も味わいました。黒糖豆漿は3段階の甘さの中から、一番スタンダードな“普通”を選びました。自家製のシロップを使用しており、とても穏やかな優しい甘みが口の中に広がります。ホットでもアイスでもいただけますが、黒糖やゴマの風味と甘さのバランスが絶妙。特に、ゴマ豆漿はゴマの風味と豆乳のまろやかさは相性抜群で、デザートのような豆乳です。


この日に使用した大豆は、宮城県産の「ミヤギシロメ」。お店の製法もあってか、出来上がった豆乳は癖もなく、クリーミーでとても飲みやすく仕上がっています。

そして食べ終わって店を出ても、まだ列が続き、その列は途切れることはありませんでした。いつもより少し贅沢で新鮮な豆漿の朝食を求めて、まだまだ人が集まりそうです。

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