今泉久美先生に、豆乳の魅力について、突撃インタビュー

今回は、料理研究家として活躍され、様々な料理本も出版されている今泉久美先生に、豆乳の魅力についてお聞きしました。

日本人の和食離れについて

最近、食で一番気になるのは和食離れ、特に主食にお米を食べる人が少なくなっているということです。私自身はもちろん、職業柄、様々な国のレシピや、料理に触れることも多いのですが、健康のために40歳を過ぎてから、1日3食のうち2回は主食としてお米を食べる、というルールを決めました。

年齢を重ね、改めて、日本人が長く食べてきたお米が、自分の身体にもよい効果があり、合うと考え、また父がその当時好きだった麺を控え、米を食べるようになったら便秘しなくなった、と話していたことが、大きなきっかけでした。普通に考えても、日本人の腸内環境をよくする働きがあるのは、やっぱりお米と頭でわかっていても、なんとなく忙しさにかまけて、自分のその日食べたいものが、体が欲するもの、身体に良いものと短絡的に思っていたのです。

お米1日2食以上、このルールを続けていたら、お米を食べると満足感があり、食事全体の量がある程度抑えられて、我慢しなくても自然と徐々に体重が減り、それまで絶対に痩せられなかったのに、簡単に数キロ痩せることが出来、腸内環境がよくなったことを実感しました。

結局、ご飯を食べないと、間食や、ちょこちょこ食べてしまったり、知らず知らず、カロリー過多になっていたのだと思います。大好きなワインもご飯を食べると飲みすぎないことも実感しました。

その当時、糖質オフが巷ではやり、簡単に痩せられるとブームになりました。それは今でも続いていて、糖質オフといいながらパンや甘いスイーツは別腹なのかお米離れだけが進んでいるのが現状です。この和食離れ、特に米を食べない食習慣は今後の日本人の健康にもたらす影響を考えると、大変なことになると思い、今では減塩とお米を基本とする和食の良さを中心に講演活動などを行っています。(今現在はコロナで延期や中止)

簡単にバランスがよい献立を立てるには、どうしたらよいか?私のルールをお伝えします。

・1日3食のうち2食はお米をたべる(パンや麺類は塩分を含む)

・1日一回みそ汁を摂り、季節の野菜を使う。

・朝食は野菜100g、昼食と夕食には野菜を150g目標に。

・一日にタンパク質食材として、牛乳1杯(ヨーグルト、チーズなどにかえても)卵1個、肉と魚各80g程度、豆腐100gまたはや豆製品(豆乳、納豆、大豆、おから、厚揚げなど)*タンパク質、特に肉と魚の分量を80gと決めて置けば、タンパク質が不足せず、塩分を簡単に抑えられます。ただし脂の多いものはカロリーがオーバーするので時々のお楽しみに。

・1回の献立に一種は油を使う。(腹持ちがよくビタミンの吸収を助ける。)

・おかずの味付けは重ならないように、醤油、味噌、酢のもの、塩味のものなど色々な味にすれば、結果減塩に繋がる。

最近の豆乳はさらに美味しくなった

1日一回とりたい大豆、大豆製品ですが、大豆の魅力は植物性のたんぱく質が摂れるということです。肉や魚には栄養的に大切な働きがありますが、例えば食用牛を育てるには大量の穀物を必要とするため、様々な問題が定義されています。大豆は昔から日本人がタンパク質を摂取してきた、お米にも合う食材です。その中で豆乳はの良さは、常温で長期保存できるものがあり、買い置きができます。それから、味が優しく、甘みもあり、コクがありながらサラッとしているというのが豆乳の魅力であり特徴だと思っています。私自身は、牛乳を飲むときには低脂肪乳を購入していますが、甘みがあるのにコクがないので少し物足りなさを感じています。

また、最近の豆乳はさらにおいしくなり、色々な味のものも増え、お子さんたちがおやつの時間に摂れるものも増えました。調製豆乳が特においしくなっているという実感があります。前はバニラフレーバーなのか風味が気になることもありましたが、今は調製豆乳も癖がないので、豆乳シチューなどに使えば、無調整豆乳より、固まらず気に入っています。

豆乳粥をはじめ、身近な食材で豆乳料理を作って、たんぱく質を補う

豆乳シェイク、スムージーといった飲み物によく加えるのは、練りごま、すりごまなどや、同じ大豆から作ったきな粉、これをバナナ豆乳シェイクなどに加えると、より栄養価が高まり、風味が増すので気に入っています。

あと、豆乳といえばよく作るのが「豆乳粥」です。水とご飯と食べやすく切ったささみ、青菜やかぶをさっと煮てから、仕上げに無調整豆乳を加えて温める程度に煮ます。この豆乳粥については、私の著書でも多く紹介していて、体調の優れないとき、簡単にバランスのよいひと皿を作りたいときなど繰り返し作っているレシピです。

デザートにもよく使います。チーズケーキを作る時に、生クリームを使わないで調製豆乳を使ったり、焼きチーズケーキにはさらにおからパウダーを加えて作ります。豆乳を使えばとてもコクが出るのにヘルシーなのでお勧めです。簡単デザートなら、豆乳に砂糖を少量加えてゼラチンで固め、ジャムや黒蜜をかるのもよいし、抹茶くずもちも簡単に作れておいしいです。

豆乳とくず粉の組み合わせでは、豆乳と練りごまとくず粉を練って「くずもち」にして、おもてなし料理にも何度も作っています。これは黒練りごま、白練りごま2種類出来、わさびと醤油、だし醤油などをかけます。簡単で大量に作れるので、おもてなし料理にもぴったりです。

料理を作る楽しさ

私は、毎日自分で作ったもの(調理したもの)をオンタイムでブログやインスタにアップし、バランスのよい献立の立て方が伝わればと考えています。目で見て、献立の立て方がわかるように、簡単な料理の組み合わせを基本にしています。朝はベッドの中で、あるいは前の日の寝る前に、これ今日食べられなかったから明日朝食べようとか、冷蔵庫に賞味期限のものがあれば、それから食べようとか、結局料理や食べることを1日中考えているんです。仕事で疲れた日は、ゆっくり湯船につかり、晩御飯は何食べようかなあと、食べたい食材に手順を組み合わせ、例えば、魚を焼いている横でしいたけを焼いて、焼いている間にみそ汁と作り置きのあれ盛ろうとか。大抵は10分程度の時間で仕上げます。ブログやインスタを毎日続けることで、私の献立力も高まった気がします。

新型コロナウイルスがあって、さらに食の大事さを痛感

食事や食べ物の話は、人とコミュニケーションがとりやすく楽しいですよね。食べ物の存在や力って、すごいな、大きなと日頃から感じています。そんな中で、コロナ禍となったのですが、私にとって、日常を瞬く間に変えてしまったコロナは、かの多くの命が犠牲になった戦争を連想させるものでした。けれど、見えないコロナとの戦いの中では、仕事や日常に大きな不都合もなく買い物にも行ける、手に入らない食材などは、ほぼないといっていいくらいの状況です。確かに家族、友人との食事は今だにできない状況ですが、自分で料理を作ることの楽しみを知った方も多かったのではないかと思います。自分で料理をしてみると、よい気分転換になったり、いろんな料理にチャレンジしたり、節約にも取り組めたり、料理を作ることで楽しい時間を過ごせると思います。このよいチャンスにさらに栄養バランスを整えた献立を考えてはいかがでしょう?好きなものばっかり食べていては自分の健康は守れません。豆乳はそんなみなさんをサポートしてくれる、よい食材だと思います。


今泉久美先生について

料理研究家 栄養士
女子栄養大学 栄養学部卒
女子栄養大学栄養クリニック特別講師

山梨県大月市に4世代12人の家族の長女として生まれる。山深い、水のきれいな大自然に囲まれ、曽祖父、祖父が作る、美味しいお米、野菜を食べて育つ。幼いころより料理好き。小さいころの趣味は山菜を取ること。

大学卒業後、紀文食品のグループ会社に入社。退社後、日本テレビ3分クッキングのアシスタントを8年間勤める。料理研究家 塩田ミチル先生、荻原悦子先生のアシスタントを勤め、料理の基本、料理を作る楽しさを学ぶ。 1995年:世田谷区烏山にスタジオを開き独立。東京・山梨2拠点生活を送っている。現在は、商品開発、レシピ開発、テレビ、雑誌、料理本、全国各地での料理教室、講演会などを行っている。


本の紹介

2021年4月に、今泉先生が料理制作をされた「おからのおかず」が出版されました。食物繊維がたっぷりとれて健康維持に大活躍するおから。本書では使いやすい「おからパウダー」を使って、毎日にとりいれやすい、おいしいレシピを紹介。また、おからパウダーのバイブルとなるような、知識ももりだくさん。手軽に食べて健康生活を目指せます。「豆乳クリーミー粥」や豆乳とおからパウダーによるチーズケーキや簡単なデザートなども紹介されています。

URL:https://www.amazon.co.jp/dp/4058016116/

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