世界の豆乳市場

豆乳は、日本はもちろん、世界中で愛されており、まさに人気の飲料のひとつになっています。今回は、豆乳はもちろんさまざまな飲物の“飲料用紙パック”を世界中で展開されている、日本テトラパック株式会社のマーケティング部 丹羽 恭子さんに「世界の豆乳事情」について、お話ししていただきました。

世界の豆乳市場は、アジアが牽引

世界の豆乳市場について、テトラパック社では約 180億ℓ (2020年)市場と推計しており、まさに巨大マーケットに成長しています。2020年は、世界的に新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、やや減少しました。しかし、アジアの国々では、豆乳は馴染み深い飲み物であり、拡大傾向にあります。その成長は今後さらに加速すると見られています。

世界10大豆乳市場

世界の豆乳市場を見てみますと、1位は中国です。人口も多いのですが、豆乳は伝統的に飲まれており、地域に根付いた豆乳メーカーがあり、親しまれている飲み物です。タイやベトナムでも豆乳はとても馴染みのある飲み物ですが、近年は“肌に良い”、“記憶力に良い”など機能性を訴求する豆乳が発売され、とても人気があります。ベトナムでも、豆乳は日常生活に根付いているので、デート中にカップルで豆乳を飲むというのも珍しくない光景になっています。日本は第4位の市場ですが、健康志向の強い後押しを受け、毎年拡大してきています。

国名単位 (百万ℓ)
中国13,531
タイ816
ベトナム715
日本472
台湾254
マレーシア244
韓国242
アメリカ200
インドネシア110
オーストラリア94

台湾は、屋台の量り売り豆乳もありますが、日本のようにコーヒー味やストロベリー味などのフレーバー豆乳も人気です。また、マレーシアをはじめ、伝統的に豆乳を飲んでいるベトナムやタイにおいても、それぞれの国の国産メーカーが豆乳を製造し、市場を形成・牽引しています。アメリカは、飲みやすいアーモンドミルク市場が形成されつつあるものの、豆乳人気の巻き返しも期待できるところです。なお、日本のメーカーが製造した豆乳も海外に輸入されており、特に、カフェ文化が根付くオーストラリアでは、コーヒーのクリーマーとして(ソイラテ用)、活躍しています。

豆乳市場の拡大に不可欠なLLパック

世界的に豆乳市場を形成・拡大している最たる要因のひとつは、テトラパック社が製造しているロングライフ紙パックにあります。LL紙パックは、無菌充填技術と、特殊な6層構造の紙パックにより、常温で長期間保存が可能になりました。そのため、豆乳であれば、数カ月(国によって異なりますが)程度、冷蔵庫に入れずにストックすることができることから、チルド流通網がととのっていない国土の広い国、砂漠や山の奥地などにも運び、生活者に届けることができます。

LLパックの詳細はこちら

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