お豆腐屋さんの豆乳とスーパー・コンビニの豆乳って何が違うの?

皆さんは、普段どこで豆乳を買っていますか?今やスーパーやコンビニでも手軽に購入できるようになりましたが、昔は豆乳といえばお豆腐屋さんに並んでいるものでした。豆乳好きの方の中には「ここのお豆腐屋さんの豆乳が一番お気に入り!」という推しがある方もいらっしゃるかもしれませんね。

普段はあまり意識する機会がないかもしれませんが、実はお豆腐屋さんで買う豆乳とスーパー・コンビニに売っているパック入りの豆乳には、大きな違いがあることをご存知でしょうか?

意外と知られていない、豆乳の違いとは?

お豆腐屋さんの豆乳とスーパー・コンビニで販売されているパック入りの飲料用の豆乳には、主に次の2つの違いがあります。

1.豆腐が作れるか?
お豆腐屋さんの豆乳は温めてにがりを入れると豆腐が作れますが、スーパー・コンビニで売っているパック入りの飲料用の豆乳は豆腐を作ろうとしてもうまく固まらないことがあります。この違いは、加工の過程でどのような条件で加熱がされているかに起因しています。パック入りの豆乳は、殺菌のために比較的強い条件で加熱をされるため、熱変性で豆腐作りに重要なたんぱく質が壊れてしまうことで固まらなくなってしまうのです。ただし、パック入りの豆乳の中でも「豆腐が作れる」と記載があるものは、特別な方法で製造されているため、豆腐作りが可能です。

2.濃度の濃さ
お豆腐屋さんの豆乳は、原材料が大豆のみで、味付けされていないことがほとんどで、パック入りの豆乳よりも濃度(大豆固形分)が濃い傾向があります。豆腐が作れる豆乳濃度は一般的に7〜14%と言われているため、お豆腐屋さんの豆乳の中で濃いと感じるものは10%以上の濃度があるようです。それに比べてパック入りの豆乳には味付きのものもありバリエーション豊かで、大豆のみで味付けされていないものでも濃度は10%未満であることがほとんどです。

スーパー・コンビニの豆乳にも3種類あった!?

先ほど述べた通り、スーパー・コンビニで売られている豆乳はバリエーション豊かで、さまざまな種類の商品が並んでいます。そんなパック入り豆乳ですが、実は(無調整)豆乳と、調製豆乳と、豆乳飲料の3種類に分かれているのをご存知でしょうか?日本農林規格(JAS)で大豆固形分の割合やたんぱく質含有率を付帯して定義されている、それぞれの種類の特徴について確認してみましょう。

●豆乳:「大豆固形分8%以上」→大豆たんぱく質換算3.8%以上
水に浸したり、蒸したりした大豆を絞った乳白色の液状そのままの豆乳は、何も味付けしていないもの

●調製豆乳:「大豆固形分6%以上」→大豆たんぱく質換算3.0%以上
(無調整)豆乳に塩や砂糖などを加えて飲みやすくしたもの。

●豆乳飲料
(果汁系):「大豆固形分2%以上」→大豆たんぱく質換算0.9%以上
(その他):「大豆固形分4%以上」→大豆たんぱく質換算1.8%以上
調製豆乳に果汁や紅茶(フレーバー)などを加えて味付けし、飲みやすくしたもの。

目的に合わせて好みの豆乳を入手しよう!

豆乳にもさまざまな種類や、種類ごとに異なる特徴があることを知っていただけたでしょうか。なるべく大豆そのものの栄養を摂りたい方、味や甘さなどでおいしく飲みたい方など、さまざまなニーズに沿った商品があるため、違いや選び方を知った上で目的に合わせて上手に選べるようになると、バリエーション豊かな豆乳をさらに楽しめるようになるでしょう。


なお、豆乳マイスター通信は、管理栄養士の藤橋ひとみさんにご担当いただいています。

プロフィール
株式会社フードアンドヘルスラボ 代表取締役、管理栄養士。
大手食品メーカー開発職、ベンチャー企業での勤務を経て、フリーランスの管理栄養士として独立。商品開発コンサルティング、レシピ開発、コラム執筆、メディア出演など幅広く活動中。同時に、東京大学大学院にて医学博士取得に向けて栄養疫学研究を行っている。豆腐好きが高じて、さらに知識を極めるべく、大豆関連資格の制覇に挑戦中。管理栄養士の知識を活かしながら、大豆製品の魅力を発信している。

【所有資格】
管理栄養士、栄養士、調理師、製菓衛生師、
豆乳マイスター”プロ”、豆腐マイスター、食育豆腐インストラクター、
いなり寿司マイスター、おから再活プロデューサー、
ソイオイルマイスタープロ、納豆真打、みそまるマスター、
インナービューティープランナー、ほか

【ホームページ】
https://is-food-health-labo.com/

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