韓国の豆乳事情

梅雨とはいえ、もうすでに夏の暑さがうっとうしい毎日です。日本では、「冷やし中華始めました」という張り紙に、夏の到来を感じる方もいるのではないでしょうか。実は韓国にも、豆乳を使った、夏の定番料理があります。今回は、そんな日本人にもなじみの料理も含め韓国の豆乳事情をご紹介しましょう。

50年近いロングセラーの豆乳が人気

豆乳を使った料理が夏の風物詩となっている韓国が、2019年の一人当たりの豆乳の消費量は4.3ℓと、日本の消費量(一人当たり年間3.6 ℓ)を上回っています。そんな韓国で、長年親しまれている豆乳が、1973年に発売されたベジミルです。ベジミルとは、ベジタブルミルクの略称で、豆乳95%のベジミルAと、アーモンドのような風味を感じる、やや甘めのベジミルBの二種類があります。普段、無調整豆乳を飲むという方は、ベジミルA、調製豆乳や豆乳飲料が好きな人には、ベジミルBがよいでしょう。

ベジミルは、韓国では、スーパーやコンビニなどで気軽に購入することができ、豆乳が韓国で身近な存在となっていることが分かります。日本の豆乳は紙パックで売られていることが多いですが、ベジミルは、瓶に入って売られているものが主流です。韓国では、アルチャン豆乳という人気の豆乳も瓶で売られていますが、豆乳といえば瓶で飲むものというイメージなのではないでしょうか。

ベジミルやアルチャン豆乳は、日本でも、インターネット通販で購入することができます。日本で、実物を見てから決めたいという人のために、新大久保のコリアンタウンでも販売されています。

韓国の冷やし中華「コングクス」

韓国の夏の定番料理が、「コングクス」です。韓国語では콩국수と書き、コン(쿵)は豆、グクス(국수)は麺を意味します。その名の通り、冷たく冷やされた豆乳のスープに、麺を入れて食べる料理で、韓国では、夏限定のメニューとして提供する店が少なくありません。

スープに、豆乳ではなくソリテと呼ばれる黒豆から作ったスープを使ったバージョンもあります。また、麺は、小麦粉から作った喉越しの良いものが主流ですが、蕎麦を使うお店もあります。いろいろな組み合わせを試して、それぞれ好みの味を楽しんでいるようです。

コングクスは、特に味付けされずに、キュウリやトマトなどのシンプルなトッピングのみで提供されるため、そのままだと物足りないと感じるかもしれません。そんな時は、卓上の塩を入れて味を整えたり、付け合わせのキムチと一緒に食べています。シンプルな豆乳の風味と、キムチの相性の良さがよいようです。栄養たっぷりの豆乳スープで楽しむ韓国の夏の定番料理を試してみるのもよいでしょう。

キムチなど、ピリッとした食材が多い韓国だからこそ、まろやかな豆乳との組み合わせが人気なのかもしれません。今回は、韓国の豆乳事情についてお話しましたが、いかがでしたでしょうか。それでは次回もお楽しみに。

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