人気の植物性ミルク徹底比較!豆乳、アーモンドミルク、オーツミルクの違いとは?

ここ数年、美容・健康への意識の高まりから、日本でも植物性ミルクが人気を集めています。豆乳は日本で最も古くから飲まれてきた植物性ミルクの代表格です。今回は、日本で特に人気の3種類の植物性ミルクについて、その違いをお伝えしていきます。

そもそも“植物性ミルク”とは?

穀物や豆、ナッツ類などの植物性の食材を細かく砕いて成分を水で抽出して作るミルクのことを言い、プラントベースミルクとも呼ばれています。美容・健康目的のほか、牛乳の食物アレルギーを持つ場合の代替品としての活用や、ビーガンなど植物性食品中心の食生活を選ぶ人の増加、環境意識の高まりからも注目を集めており、世界中で植物性ミルクの消費量が増加しています。特に豆乳は、近年アジアだけではなく欧米をはじめ広く世界中で愛飲されるようになりました。

人気の3種類の植物性ミルク、何が違うの?

■豆乳(ソイミルク)
豆乳は、大豆を原材料に作られる、日本人に最も馴染みがある植物性ミルクと言えるでしょう。牛乳とほぼ同量のたんぱく質を含み、植物性ミルクの中では比較的高タンパクな点が人気を集めています。

■アーモンドミルク
アーモンドを原材料に作られ、植物性ミルクの中では比較的低糖質・低脂質でカロリーが低く、抗酸化作用をもつビタミンEを豊富に含む特徴があります。

■オーツミルク
オーツ麦を原材料に作られる植物性ミルクで、近年のオートミールブームからの流れで注目を集めるようになりました。この3つの中で最も炭水化物が多く、食物繊維を多く含む傾向があります。

【100gあたりの栄養価の比較】

*文部科学省, 日本食品標準成分表2020年版(八訂)より
** USDA Food Data Centralより
ダイエットにはどれがおすすめ?

ダイエット中は、なるべく摂取エネルギー(カロリー)を抑えたいところ。低カロリーな植物性ミルクという観点からおすすめしたいのは、アーモンドミルクです。豆乳からは、ダイエット目的で筋トレをしている場合に不足しないように摂りたいたんぱく質を、最も効率的にとることができます。ただし、どの種類の植物性ミルクでもダイエット中にNGなものはなく、含まれている栄養素が異なりそれぞれメリットがありますので、なるべく無糖のものを選び、飲みすぎないように気をつけながら気分やシーンに合わせて選ぶと良いでしょう。

特に女性に嬉しい成分が含まれているのは?

通常の食生活をしていても日本人女性が不足しやすい鉄は、特にダイエット中には不足に気をつけたい栄養素の1つ。鉄は、植物性ミルクの中では、特に豆乳に多く含まれています。また、豆乳には骨粗鬆症の予防など女性に嬉しい働きを持つ機能性成分である大豆イソフラボンが豊富に含まれているのも注目したいポイントと言えるでしょう。
アーモンドミルクにも女性に嬉しい成分が多く含まれており、骨粗鬆症予防のために積極的に摂りたいカルシウムはこの3種類の中で最も多い傾向があります。特に注目されているのが抗酸化作用をもつビタミンEの含有量で、コップ1杯(200g)で成人女性の1日の目安量を摂ることができることから、美容への意識が高い女性から支持を得ています。

まとめ:毎日の食生活に植物性ミルクを取り入れてみては?

今回ご紹介した3種類のほかにも、さまざまな植物性ミルクが日本でも流通しはじめました。ココナッツミルクを除き、ほとんどの植物性ミルクには、動物性ミルクに含まれていて摂りすぎによる肥満・生活習慣病のリスク増大が懸念されている飽和脂肪酸が含まれないため、牛乳の代替として活用することで健康的な食生活をサポートしてくれる食品と言えるでしょう。ご自身やご家族の健康のため、環境のために、豆乳をはじめとした植物性ミルクを毎日の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。


【参考文献】(すべて2022年7月16日閲覧)
[1] 文部科学省, 日本食品標準成分表2020年版(八訂), 豆乳
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=4_04052_7
[2] USDA, FoodData Central, Almond milk, unsweetened, plain, shelf stable
https://fdc.nal.usda.gov/fdc-app.html#/food-details/1999631/nutrients
[3] USDA, FoodData Central, Oat milk, unsweetened, plain, refrigerated
https://fdc.nal.usda.gov/fdc-app.html#/food-details/2257046/nutrients
[4] 厚生労働省,日本人の食事摂取基準(2020年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf


なお、豆乳マイスター通信は、管理栄養士の藤橋ひとみさんにご担当いただいています。

プロフィール
株式会社フードアンドヘルスラボ 代表取締役、管理栄養士。
大手食品メーカー開発職、ベンチャー企業での勤務を経て、フリーランスの管理栄養士として独立。商品開発コンサルティング、レシピ開発、コラム執筆、メディア出演など幅広く活動中。同時に、東京大学大学院にて医学博士取得に向けて栄養疫学研究を行っている。豆腐好きが高じて、さらに知識を極めるべく、大豆関連資格の制覇に挑戦中。管理栄養士の知識を活かしながら、大豆製品の魅力を発信している。

【所有資格】
管理栄養士、栄養士、調理師、製菓衛生師、
豆乳マイスター”プロ”、豆腐マイスター、食育豆腐インストラクター、
いなり寿司マイスター、おから再活プロデューサー、
ソイオイルマイスタープロ、納豆真打、みそまるマスター、
インナービューティープランナー、ほか

【ホームページ】
https://is-food-health-labo.com/

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