豆乳を毎日飲んでも大丈夫?1日どのくらい飲めばいい?

皆さんは、毎日豆乳を飲む習慣はありますか?この豆乳マイスター通信を読んでくださっている方の中には「豆乳が大好きで毎日飲んでいます!」という豆乳ファンの方も多くいらっしゃるのではないかと想像しています。

豆乳が健康に与える影響についてネット上で情報を調べていくと、健康に良いと言う記事がある反面、悪影響もあると主張する記事もあり、相反する内容の情報があることから混乱されている方も多いようです。

今回はよくご質問をいただく「毎日飲んでも問題ない?」「1日にどのくらい飲んだらいい?」という疑問にお答えしていきます。

豆乳を毎日飲んでも大丈夫?

毎日飲むと健康に悪影響があるという噂の元になっているのは、豆乳に含まれている大豆イソフラボンの過剰摂取に関する話であることが多いようです。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと構造が類似していることから同様の作用を示し、骨粗しょう症の予防や更年期障害の軽減等に有用であると言われています。しかし、過剰摂取はホルモンバランスを乱すのではないかと心配されてきました。

そこで、内閣府食品安全委員会で食品健康影響評価が行われましたが、日本人は豆乳をはじめ豆腐、納豆、煮豆、みそなどの「伝統的な大豆食品」について、日常の食生活における長い食経験があり、これらを食べることによる大豆イソフラボンの明らかな健康被害に関する報告がないことから、通常の食品からのイソフラボンの摂取に対しては過度に心配する必要はないとしています。[1]

健康な人であれば毎日の食生活の中で「適量」を飲むことは問題ないとされていますが、1日の「適量」はどのように考えれば良いのでしょうか?

1日の「適量」はどのくらい?

内閣府食品安全委員会では、大豆イソフラボンの安全な1日摂取目安量の上限を70〜75mg/日(大豆イソフラボンアグリコン換算値)と設定しています。[1]

豆乳には、100gあたり7.6〜59.4mg(平均24.8mg)の大豆イソフラボンが含まれているとの報告があるので、大体コップ1杯(200ml)を目安にすると良いでしょう。ただし、それ以上飲んでしまったからと言っても、すぐに健康被害が出るわけではありませんので過度に心配する必要はありません。

1日の目安をコップ1杯ほどにとどめることをお勧めする理由は、大豆イソフラボンの観点からだけではありません。豆乳の飲み過ぎはカロリーのとりすぎになってしまうだけでなく、豆乳だけでお腹を満たしてしまうと栄養バランスが偏ってしまう恐れがあります。どんなに豆乳が好きだとしても、豆乳ばかりに偏らないよう、さまざまな食材を取り入れながら健康的な食生活を送りましょう。

まとめ:

豆乳には、たんぱく質やビタミン、ミネラル、大豆イソフラボンなど、身体に嬉しい様々な栄養成分が含まれているため、上手に活用してメリットを享受できるといいですよね。[2]

どんなに健康に良いイメージがある食品であっても「過ぎたるは及ばざるが如し」と言うように、過剰摂取は健康に悪影響を与えてしまう可能性もありますので、豆乳に関しても毎日の食生活の中でバランスよく取り入れてみてください。


【参考文献】
[1] 内閣府食品安全委員会, 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
https://www.fsc.go.jp/sonota/daizu_isoflavone.html
[2] 文部科学省, 日本食品標準成分表2020年版(八訂), 豆乳
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=4_04052_7
(すべて2022年9月20日閲覧)


なお、豆乳マイスター通信は、管理栄養士の藤橋ひとみさんにご担当いただいています。

プロフィール
株式会社フードアンドヘルスラボ 代表取締役、管理栄養士。
大手食品メーカー開発職、ベンチャー企業での勤務を経て、フリーランスの管理栄養士として独立。商品開発コンサルティング、レシピ開発、コラム執筆、メディア出演など幅広く活動中。同時に、東京大学大学院にて医学博士取得に向けて栄養疫学研究を行っている。豆腐好きが高じて、さらに知識を極めるべく、大豆関連資格の制覇に挑戦中。管理栄養士の知識を活かしながら、大豆製品の魅力を発信している。

【所有資格】
管理栄養士、栄養士、調理師、製菓衛生師、
豆乳マイスター”プロ”、豆腐マイスター、食育豆腐インストラクター、
いなり寿司マイスター、おから再活プロデューサー、
ソイオイルマイスタープロ、納豆真打、みそまるマスター、
インナービューティープランナー、ほか

【ホームページ】
https://is-food-health-labo.com/

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