コーヒーを飲むなら午前中、そして豆乳をプラスして生活習慣病予防 ~糖尿病専門医が語る、コーヒーと豆乳の意外な相乗効果~

朝の一杯のコーヒーに、豆乳をプラスするだけで生活習慣病の予防につながるかもしれません。コーヒーに含まれるポリフェノールの抗酸化作用と、豆乳のイソフラボンや植物性たんぱく質が相乗効果を発揮。動脈硬化や糖尿病、脂質異常症のリスクを下げる可能性があると北品川藤クリニックの石原 藤樹(いしはら ふじき)院長は語ります。ブラックコーヒーが苦手な人も続けやすい「ソイラテ習慣」で、今日から手軽に健康づくりを始めてみませんか。

北品川藤クリニック 石原 藤樹院長

── 先生の著書である「コーヒーを飲む人はなぜ健康なのか?」では、「コーヒーは死亡リスクを下げる」と紹介していました。特にブラックコーヒーを推奨された上で、ミルクを入れる場合は、無調整豆乳が良いと書かれていますが、その理由を教えてください。

牛乳と比べると、豆乳は脂肪分・糖質が少なく、高たんぱくです。さらに大豆由来のイソフラボンにはコレステロールを下げる働きが期待でき、植物性のたんぱく質・脂質は動物性に比べて動脈硬化の予防にも有利です。本来はブラックコーヒーがベストですが、ミルクを入れるなら豆乳の方がとても健康的です。

── コーヒーと豆乳の組み合わせは、どのような健康効果が期待できますか?

コーヒーにはポリフェノールなどが多く含まれ、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などのリスク低減が期待されています。そこに豆乳を加えると、イソフラボンによるコレステロール低下作用がプラスされます。特に中高年層にとって、心血管系の予防には相乗的な効果が見込めるでしょう。

── 糖質や脂質のコントロールの面でも有効でしょうか?

豆乳は低糖質で、植物性たんぱく質が豊富ですので、糖尿病や脂質異常症の方には良い飲み物です。コーヒー自体にも血糖や脂質に好影響を与える可能性が報告されており、ソイラテ(豆乳入りコーヒー)にすると、その効果を効率よく取り入れられると考えられます。

── 女性にとって、イソフラボン摂取によるメリットもありますか?

はい。特に更年期の女性にはイソフラボンが有用だといわれています。コーヒー自体の健康効果に加え、豆乳を組み合わせることで、ホルモンバランスをサポートする栄養も一緒に摂れるということが利点です。

── 飲むタイミングは、朝がよいのでしょうか?

近年の研究で、午前中にコーヒーを飲む習慣のある人の方が、午後以降に飲む人よりも死亡リスクが低いという報告があります。朝方は血栓症や心筋梗塞が起こりやすい時間帯といわれており、その予防効果が期待できるのかもしれません。夜遅くのカフェイン摂取は睡眠の質に影響しますので、コーヒーは午前中がおすすめです。

── ブラックコーヒーは胃への刺激が気になる人もいます。ソイラテにすると軽減されるでしょうか?

はい。ブラックでコーヒーを飲むことで胃に負担を感じる方は、豆乳を加えることで刺激がやわらぎます。植物性の豆乳は消化吸収にも比較的やさしいので、ブラックコーヒーが苦手な方にはソイラテが良いでしょう。

── 最後に、コーヒーが苦手な方や夜にコーヒーを飲みたい方へアドバイスはありますか?

カフェインが気になる方はデカフェを選び、豆乳で栄養を補う方法がよいでしょう。無理なく続けることが大切ですので、自分の体調やライフスタイルに合わせて取り入れていただければと思います。

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