【寄稿】子どもの鉄分不足&たんぱく質摂取に豆乳も!

本記事は、一般社団法人母子栄養協会 代表理事 川口 由美子先生より寄稿いただきました。
成長期の子どもにとって、健やかな体を作るための栄養管理は大切です。
特に鉄分やたんぱく質は、不足しがちな栄養素として注目されています。
しかしながら、なにかと忙しいので、栄養不足が気になるものの、情報の海に溺れてしまい、つい安易な方向に流れそうになってしまいますよね。
この記事では、豆乳や牛乳を日頃のお食事に加えて欲しいというお話と、そのメリットについて管理栄養士が解説します。
成長期の鉄不足への対応と豆乳の役割
子どもたちの成長に伴い、体内での鉄需要は急激に増加します。
成長期の子どもは、血液や筋肉の合成のために多くの鉄分が必要となるからです。
しかしながら、年齢が上がるほど不足が深刻化しやすい傾向にあり、これはとても問題です。

特に、小学校高学年(10-11歳)では、男子で推奨量が9.5mg/日、女子で9.0mg/日(生理が始まっている子は12.5mg/日)が必要とされています。
しかし、令和5年国民健康調査によると、7-14歳が摂っている鉄の量は、男子6.5mg、女子5.9mg/日であるとされ、鉄不足の状況がうかがえます。
鉄を補うなら豆乳
このような鉄分不足への対応として、豆乳は非常に有用な食材です。
鉄を補う食材は、肉類・魚類などもあげられますが、豆乳は「飲める」という手軽さがあります!
たとえば、
園や学校から帰ってきて夕飯までお腹がすきすぎる!
となった場合でも、ごくっと飲めるのが豆乳のメリットです。
お菓子は多く食べてほしくない。なるべく食事を食べてほしい。でもすぐには作れない!という時に、豆乳であれば、すぐに飲むことができ、食事にも近いのでおすすめです。 食の細い子でも効率よく鉄分を補給できる手段となります。

牛乳と豆乳のそれぞれのメリット
豆乳は鉄の補給源になりますが、では牛乳をすべて豆乳に置き換えたほうがいいかというと、そういうことではありません。
なにか1種類の食品だけで栄養バランスは考えないようにしましょう。
牛乳の利点はなんといってもカルシウムです。100㎖あたり110mgと、豆乳よりも多くのカルシウムを含みます。
カルシウムも、誰もが知る成長に欠かせないミネラルです。
骨の健康にはカルシウム、血液や筋肉の健康には鉄など、それぞれの役割があるため、朝は牛乳、おやつは豆乳などというように、それぞれ摂れるといいでしょう。
豆乳は栄養バランスでは「たんぱく質源」!
豆乳は栄養学的に見て、極めて優れたたんぱく質源です。
農林水産省・厚生労働省の「食事バランスガイド」をみてみると、豆乳は豆腐や肉、魚、卵などと同様に「主菜」の一つとして数えられています。
具体的な摂取量の目安として、食事バランスガイドの「主菜」の1SVは、調製豆乳200ml(コップ1杯)となります。
1SVの目安は豆腐100gや卵1個分となります。
例えば、10-11歳でしたら、主菜は3-5SVくらいになるので、朝の主菜がなかったりしたらおやつの豆乳で補うなどバランスをみながらとれるといいですね。

飲むという利点
私たちは普通に生活して普通に食生活を送っていればたんぱく質が不足することはありません。
しかしながら、食欲がなかったり、好き嫌いなどでなかなか肉や魚などが食べられなかったり、習い事までの短い時間で補食(おやつ)をあげたいと思うこともありますよね。
そんな時には「水分」として栄養が摂れるものが、助けになることがあります。
豆乳や牛乳は、たんぱく質も摂れる飲み物なので、時間がなくてもさっととれる栄養補給源になります。
ストックしておくといざという時にも助けになりますね。
まとめ
豆乳は成長期に欠かせない「鉄分」と「たんぱく質」を豊富に含む、心強い味方です。
子どもの成長期には、水分補給源の1つとして、豆乳も普段の食事に組み入れることで、より栄養バランスが整いやすくなるかもしれません。
日々の食事の中で豆乳を楽しみながら、子どもたちが楽しくおいしく健康的な食生活になりますように!
参考文献
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44131.html
- 厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査報告」 https://www.mhlw.go.jp/content/001435384.pdf
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html
- 農林水産省・厚生労働省「食事バランスガイド」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/pdf/dietary_reference_intakes_04.pdf
