「ソイラテ」から豆乳メニューを展開しているタリーズコーヒー

今回は、ソイラテを始めとする豆乳を使用し、様々なメニューを豊富に提供していることで、よく知られているタリーズコーヒーの本社を訪ねました。タリーズコーヒーでは、「豆乳の日」の10月12日ごろには、毎年魅力的なプロモーションを展開しています。そこで、商品開発部ドリンク開発グループのグループ長・若林教二さんに、タリーズコーヒーの「ソイラテ」が誕生した経緯、豆乳メニューに込めた思い、そして今後の展望などについて、お話を伺いました。

「ソイラテ」を定番化したいという強い思い

若林さんはタリーズコーヒーで、どのようなお仕事をしていますか?

若林さん:私はコーヒー豆の担当として、2006年にタリーズコーヒージャパンに入社しました。同年、タリーズが伊藤園グループ傘下になったタイミングで、ドリンクメニューを開発する担当になり現在に至ります。

商品開発は3つのグループがあります。私が所属しているドリンクを作るチームと、コーヒー豆商品を作るチーム、そしてフードを作るチームに分かれています。

そんな中で、どのような経緯で「ソイラテ」を考案したのでしょうか。

若林さん:もともと、タリーズでは2004年頃から、豆乳を扱っていました。その時、豆乳は、カスタマイズとしてミルクの代わりになる材料の一つとして扱っており、要望があればミルクと変えるという程度でした。ただ、私としては、当時からソイラテを定番化したいという思いはありました。その後、2009年のエスプレッソを訴求するプロモーションに合わせ、エスプレッソとオリジナルの豆乳を合わせた「ソイラテ」を定番のドリンクとして販売することを提案し、実現しました。

当時の豆乳はまだ改良を重ねている段階でしたが、味についてどうでしたか?

若林さん:当初使用していたメーカー品は、大豆の豆臭さから苦手に感じるお客様はいました。そこでソイラテ定番化を進める準備段階で、長野県に工場を持つ豆腐メーカーでタリーズのオリジナル豆乳を作ることにしました。ラテやカプチーノにした時の泡のもちがよく、大豆の独特な香りを抑えてミルクの風味をプラスし、飲みやすい設計にしました。

今使用している豆乳には、どのようにしてたどり着きましたか?

若林さん:2012年、その豆腐メーカーでの豆乳事業がなくなることになり、新たな委託先で製造を開始しました。それまでの品質を維持しながらさらに味わいを改良し現在の製品に引き継がれています。飲みやすさを追求することで、これまで豆乳が苦手だったお客様からも「飲めるようになった」というお声をいただくようになりました。

社内コンテストの受賞作が豆乳ドリンクだった

毎年、豆乳の日(10月12日)に合わせて、店頭でPOPなどを展示しているところを見かけます。

若林さん:最初は2017年に、豆乳に焦点を当てた営業施策から始まりました。豆乳を使ったメニューを我々でいくつか考えて、訴求するのと、「ダブルトールソイラテ」というメニューを期間限定で販売しました。その結果、豆乳を知って下さるお客様が一気に増えましたので、毎年10月はプロモーションを実施することになったのです。

実際に、10月の月間プロモーションで、ソイラテの売上は上がりましたか?

若林さん:ソイラテは良く売れます。カフェラテとソイラテの今の売上の比率は大体5:1ですが、ソイラテの方は年々上がっています。

ただ、これ以上に豆乳を訴求することができているタイミングが2月にあります。毎年、「アーモンドプラリネソイラテ」という商品を出しています。見た目はとてもシンプルですが、売上は上々です。

「アーモンドプラリネソイラテ」というのは?

若林さん:毎年、社内で「バリスタコンテスト」というものを開催しており、審査部門の1つにオリジナルドリンクの賞があります。ある年の受賞ドリンクが、「アーモンドプラリネソイラテ」でした。

毎年その受賞作品を全国で発売していますが、今も残っているのは「アーモンドプラリネソイラテ」だけです。評判が非常に高く、6~7年前から、2月の定番として販売しています。そこでタリーズの豆乳を知っていただき、「おいしい」と評価していただくことで、物販に繋がっているという流れもできています。

こちらの定番化はしていないのですか?

若林さん:今のところは、年間の商品にはなっていません。お声はたくさんいただいていますが、その時期に販売する商品という位置づけを守っていきたいと思っています。

オリジナルフレーバーを自宅で楽しむ

コロナ禍となって、物販で販売しているオリジナル調製豆乳は、巣ごもり需要でよく売れていると聞いています。

若林さん:そうですね。先ほど3年分のデータを見ていたところ、昨年の8倍、一昨年の10倍、豆乳の物販が売れています。2021年1月、東京などに第2回目の緊急事態宣言が発令された時、単月で10倍になり、その後もずっとその規模を維持しています。

物販の豆乳を購入している方は、これがタリーズのオリジナルフレーバーであるとご存知ですか?

若林さん:ご存知で購入されていると思います。物販の豆乳の値段はメーカーが出しているものよりかなり高いのですが、その分しっかりと味で訴求しています。

4月から販売している「カフェオレベース」という商品がありますが、豆乳で割ると、自宅でもソイラテを楽しめるというセット販売の効果もでています。実際にタリーズのソイラテが好きで、自宅で手軽に作れるから買うという方の声も頂いており、ドリンクと物販が連動したと言えます。

ソイラテを好まれる方の傾向について、教えてください。

若林さん:もともと女性がメインターゲットだったので、20~30代の女性に求められている商品として考案しました。しかし、実際のお客様はもう少し幅が広いと実感しています。特に意外と感じたのは、インスタグラムなどのSNSを見ると、10~20代の女性がソイラテを飲んでくれていることです。デザートドリンクとして、「アーモンドプラリネソイラテ」から入り、そこから定番のソイラテを飲んでいただいているようで、とても嬉しいです。

今後、豆乳を使用した新商品を開発する予定はありますか?

若林さん:スポット商品として、時々考案しています。健康素材としてニーズに応じて、メニュー化していきたいと思っています。また、豆乳の日をめがけてのキャンペーンは今年も実施を予定しています。


ありがとうございました!今後も、おいしい豆乳メニューを楽しみにしています。

タリーズコーヒーの最新メニューは、タリーズコーヒーのHPから。

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