カナダの大豆や豆乳事情について〈後編〉

カナダは、食品用大豆の生産において世界を牽引しています。また50ヵ国を超える世界中の国々に、全生産量のおよそ70%の大豆を輸出しています。日本でも、豆乳にカナダ産の大豆が多く使用されていますが、そのことはあまり知られていないのではないでしょうか。

そこで、豆乳あるある編集部では、なぜカナダの大豆が日本にもたくさん輸入され、豆乳に限らずさまざまな大豆製品に使われているのかを解き明かしたいと思います。きっと皆さんは、カナダが最高品質の食品用大豆の生産に多大な努力を費やし、それがゆえに、世界中の消費者を魅了していることに驚かれるにちがいありません。

今回は、カナダ大豆協会のニコール・マッケラーさんにお話をお伺いしました。このインタビューは、前編と後編の2回に分けてお届けします。


現在、カナダでは大豆製品への需要はどれくらいありますか? たとえば、豆腐や醤油などの和食素材、大豆ミートなどの肉代替品の需要はどうでしょう。

2019 年以降、カナダでは大豆食品、特に豆腐や大豆ベースの代替肉の消費が大幅に増加しています。大豆ベースの代替肉産業は現在、4,800 万カナダドルと評価されており、過去4年間で 42% 増加しています。代表的なのは大豆ベースのハンバーガーです。

大豆食品の消費の増加につながった要因はいくつかあります。 まず第一に、カナダ政府が推奨している、国民が食品から毎日摂取すべき食品分類の割合を記した「食品ガイド」を改訂したことです。「食品ガイド」では、肉や乳製品の代替品がより重視されており、大豆食品の需要が高まっています。

また他に、大豆食品の消費の増加に貢献した理由は、カナダの健康政策を担当している連邦政府機関のカナダ保健省が、高タンパク質の大豆ベース商品がコレステロールを下げるのに役立つと提唱されたことも影響しています。そして、大豆食品メーカーは、自社の大豆商品のパッケージに、大豆食品が提供する健康上の利点を掲載し宣伝することができるようになりました。

カナダの豆乳事情について教えてください。 たとえば、カナダで人気の豆乳や豆乳の一般的な飲み方、料理法、流行の豆乳商品など。

2020 年、カナダの大豆飲料の小売売上高は 8,950 万米ドルにのぼり、カナダの乳製品代替飲料の総売上高の 27% を占めています。

2018 年から 2020 年にかけて、カナダの豆乳の売上高は複合年間成長率が -2.6% であり、オート麦やアーモンド ミルクなどの他の代替乳製品の増加により、今後 5 年間で年間 1.8% 減少すると予測されています。

アースズ オウン フード社は、大豆飲料の売上高で 40% のシェアを占めるトップ企業です。これに続くのは、市場シェア22.4% を持つ ダノンカナダ、17.7% の ナチュラフードです。人気の豆乳メーカーには、「シルク」、「ソーグッド」、「ソーナイス」、「ナチュラ」、「ヴィタソイ」などがあります。

ほとんどのカナダ人は全体的に豆乳を飲みますが、豆乳には高レベルの完全なタンパク質が含まれているため、多くの人が豆乳をスムージーやプロテインシェイクに取り入れています。ハイブリッドミルク代替飲料の導入は、豆乳の新たな需要を促進することに役立っています。オート麦や大豆などのブレンドにより、消費者は現在、両方の商品の健康に良い点を楽しむことができます。

Covid-19 パンデミックにより、消費者行動に変化はありましたか?

大豆やエンドウ豆を使用して肉の味と食感を再現する製品は、コロナ禍初期に売り上げが急増しました。その理由は、主要な肉の加工施設でのウイルスの発生が懸念されていたからです。カナダの豆腐と代替肉の売上高は、コロナ禍当初の 4 週間で前年比 52% 増加しました。

以前は、カナダ人は、大豆食品の調理方法や利用方法を理解していなかったため、大豆食品をたくさん消費していませんでした。また、消費量の増加に貢献しているのは、カナダ人が肉を食べる量を減らしていること、食事の傾向、消費者が肉の代替品を探していることも理由に挙げられます。ソーシャルメディア、ブログ、動画ブログを通じて、カナダ人は大豆食品のさまざまな用途について知識を深め、食事に取り入れるようになってきています。大豆食品のさまざまな用途に精通しており、より多くの大豆食品を食事に取り入れています。

個人的におすすめの豆乳はありますか?

数年前に市場に出た最初のブランドの 1 つだったので、私は個人的に シルクの豆乳 を飲みますが、カナダで入手可能なブランドはどれも素晴らしい味のタンパク源になっています。私はよく豆乳を使ってトレーニング後にプロテインシェイクを作ります。豆乳は、回復を助け、速い筋肉再生を促進する糖とタンパク質の両方を摂取できます。

日本の消費者の皆さんに何かメッセージをいただけますか?

カナダは日本に高品質で安全、そして持続可能な大豆を40年以上にわたって提供しています。私たちは、この長い年月で培ったカナダと日本の関係を喜ばしく思っています。そして、消費者の皆さんのニーズにかなった商品をお届けできていることをうれしく感じています。これからも、引き続き高品質で栄養価の高い大豆食品をお届けできることを楽しみにしています。

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