災害食にも豆乳!?
日本は、台風や大雨、地震など自然災害が多い国です。災害が起こると、ライフラインが復旧するまでにかかる期間は1週間以上になるケースがほとんどで、そのため、国では大規模な災害に備え、1週間分の備蓄を推奨しています。そこで、近年、備蓄品を普段使いに取り入れ、古い食材の消費・買い足しを繰り返す「ローリングストック」が注目されています。
今回は、災害対策の役割を担う豆乳の力を紹介します。豆乳は、いつ発生するか分からない災害時にも力を発揮し、たんぱく質やビタミンなど不足しがちな栄養を補い、日常生活の維持を助ける役目を果たします。普段の食生活の段階から豆乳を取り入れることで、栄養のバランスをキープし続けることにもつながると考えられます。
ローリングストックとは?
ローリングストックとは、普段の食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限を考えて古いものから消費し、消費した分を買い足すことで、常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つための方法のことを指します[1]。
災害時に健康面や安全面などで安心して食する災害食を選考する、一般社団法人防災安全協会主催のコンテスト「災害食大賞」のうち、2021年に新設されたローリングストック部門優秀賞に無調整豆乳が選出されるなど、豆乳は、災害食としても大切な役割を担っています。常温保存できる点や、そのままでも美味しく飲める点などが理由として挙げられ、日常でも災害時でも変わらぬ美味しさである点が災害食として重宝されています。
豆乳は災害食としても大活躍!
豆乳は、常温保存が可能で、たんぱく質やビタミンなどさまざまな栄養素を豊富に含んでおり、災害時の備蓄に最適な食品です。200mlあたりのたんぱく質は7.1g、カルシウム111mgと手軽に栄養補給ができます。
豆乳が未開封・常温で長期間保存できる理由は、豆乳を作る工程において、130℃~150℃の超高温で殺菌され無菌状態で、微生物や光・空気を遮断するパックに充填されるからです。そのため、未開封・常温で180日間保存することが可能になります。豆乳を災害食に取り入れることで、たんぱく源を常に確保しておくことにつながることに加え、日常的に摂取することで、豆乳の効果を実感することにもつながります。
豆乳は、栄養価が非常に高く、植物性たんぱく質やビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、体力の維持や免疫力の向上にも寄与します。そのまま飲むのはもちろん、料理にも活用できて、アレンジの方法は様々あります。また、各メーカーが豊富なラインナップを取り揃えており、災害時にも飽きることなく豆乳を飲み続けることができます。
例えば、大豆たんぱく質は、吸収や分解に時間がかかるため満腹感を得やすいという特徴があり、体の血流の改善にも効果が期待できます。ほかにも、脳を活性化させる役割を持つレシチンは、脳の情報伝達をスムーズにするだけではなく、高血圧や動脈硬化の予防にも効果を発揮するとされています。
このように、豆乳にはビタミンB群やビタミンEなど災害時に関わらず、普段の生活にも応用できる栄養素が豊富に含まれており、災害時というイレギュラーな事態も対応することができます。また、豆乳をローリングストックに取り入れておくことで、日常の栄養バランスをキープする助けになることにもつながるかもしれません。
運動後の体にも豆乳が最適!
災害が発生し、生活が一変することによって心にも体にも負担が大きくかかり、不活発になりがちになってしまうときにこそ、全身を動かすことが大切だとされています。長時間同じ姿勢を取り続けると、血液循環が悪くなってしまいます。
適度な運動を続けることに加えて、運動後に豆乳を飲むことで健康を維持する助けにもつながります。豆乳に含まれる「ペプチド」が脂質代謝を向上させ、脂質から変換されたエネルギーが筋肉の疲労回復を早くする効果があるとされているからです。また、運動した後に大豆ペプチドを摂取することで、血中の成長ホルモン濃度が上昇し、筋肉を作る効果がより高まります。
さらに、イソフラボンやサポニンには、抗酸化作用があり、体内で発生した活性酸素を除去する働きがあります。この活性酸素が過剰に発生すると、筋細胞が酸化され、筋肉への損傷も大きくなります。抗酸化物質は、筋肉を酸化から守るように働くため、筋肉痛の軽減に役立つと考えられています。
このように豆乳は、普段の生活に限らずさまざまな場面で活躍する食品です。日常の料理に取り入れたり、飲みやすい豆乳飲料から始めてみたり、積極的に豆乳を飲むことを意識することで、無理なく家庭で豆乳を消費し続けることができるようになります。
旬の食材と豆乳を組み合わせたレシピに挑戦
厳しい暑さも落ち着き、秋になると涼しく過ごしやすくなるため、夏に失われた食欲が回復してくることから10月~11月は「食欲の秋」と言われます。今回は、日本豆乳協会の豆乳レシピ甲子園の受賞作品から、秋の味覚といわれる食材と、豆乳を使ったレシピを紹介します。手軽に挑戦できるレシピですので、ぜひ試してみてください。
・かぼちゃの豆乳そぼろ煮(2020年第7回豆乳レシピ甲子園)
◎材料:2人分
調製豆乳…180ml
かぼちゃ…1/4個
豚ひき肉…100g
酒、砂糖、みりん、しょうゆ…各大さじ1
水溶き片栗粉…適量
【作り方】
- かぼちゃは種をとって皮をところどころそぎ、ひと口大に切る。600Wの電子レンジで100g2分を目安に加熱する。
- 鍋にひき肉と調味料を入れてよく混ぜてから火にかけ、パラパラになったら豆乳、①を入れ、アルミ箔で落としぶたをして3〜4分煮る。
- 水ときかたくり粉でトロミをつける。
・豆乳で!さつまいも団子汁(2018年第5回豆乳レシピ甲子園)
◎材料:3人分
特濃調製豆乳…200ml
さつまいも…180g
生クリーム…100ml
砂糖…20g
白玉粉…50g
【作り方】
- さつまいも100gは皮をむき、1cm角に切って水にさらし、ゆでる。
- 鍋に豆乳150ml、生クリーム、砂糖を入れて火にかけて混ぜ、砂糖が溶けたら火を止めてさます。
- 残りのさつまいもは皮をむいて水にさらし、ゆでて裏ごしする。
- 白玉粉をボウルに入れ、豆乳50mlを加えて練る。③と、残りの豆乳を様子を見ながら少しずつ加え、さらに練り混ぜる。
- ⑤④を9等分して丸め、真ん中をくぼませる。熱湯に入れてゆで、浮いてきて1分ほどしたら氷水にとる。
- 器に①と⑤を入れ、②を注ぐ。
豆乳メーカー各社から新商品が発売中
・キッコーマン
9月24日「キッコーマン 豆乳+カルシウム」
「調製豆乳」にカルシウムが加わることで、ほのかな甘みとまろやかな味わいを楽しむことができます。調製豆乳の味わいはそのままに、カルシウムを積極的に摂りたい人や、牛乳が苦手な子どもがいる家庭にも最適です。
9月30日「キッコーマン 豆乳飲料 きなこ」
きなこの香ばしい風味と、黒蜜の優しい甘さを感じられる豆乳飲料です。そのまま飲むのはもちろん、容器に移して温めて飲むのもおいしい飲み方です。
また、キッコーマン豆乳ブランドの200mlパック全36商品を販売する「キッコーマン豆乳自販機」が2024年10月2日~12月23日までの期間、JR新宿駅 中央東改札内 ロッカー付近に設置されています。
自動販売機の企画・設置はキッコーマン豆乳ブランドとして初めての試みであり、さまざまな種類のキッコーマン豆乳を手軽に楽しんでもらうため、世界一の乗降客数を誇る新宿駅に設置しています。
販売価格:北海道産大豆 無調整豆乳200ml 140円
カラダの豆乳+MCT 200ml 150円
その他商品 120円
・マルサンアイ
10月1日「高オレイン酸 国産大豆の無調整豆乳1000ml」※通販専用
トヨタ自動車との共同開発が行われた、国産の高オレイン酸大豆を使用した大豆固形分10%の無調整豆乳です。オレイン酸はオリーブオイルの主成分であり、酸化しやすいリノール酸が少ないため大豆特有の青臭みが抑えられ、甘みをしっかり感じられる味わいに仕上げられています。